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NYの街中で「クレオパトラの子?」 安藤美姫がフィギュア選手として求めたメイクの流儀

安藤さんのこだわりは「きれいに見せるメイクではなく、表現のためのメイクを」【写真:松橋晶子】
安藤さんのこだわりは「きれいに見せるメイクではなく、表現のためのメイクを」【写真:松橋晶子】

こだわりは「きれいに見せるメイクではなく、表現のためのメイクを」

 フィギュアスケートでは衣装やメイクも、プログラムの世界観を高めるうえで重要なファクターとなる。「きれいに見せるメイクではなく、表現のためのメイクを」。これが、競技フィギュアスケーターだった頃から持つ、安藤さんのこだわりだ。

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「でも、私も最初からメイクを重視していたわけではありません。

 フィギュアスケート界にも、時代によって流行のメイクがあって。私の高校時代はパープル系のシャドーが流行っていたので、私も何も考えずそれを使っていました。今思うと、何であんなメイクをしていたんだろう? って思います(笑)」

 メイクへの考え方が一変したのは、2006-2007シーズン。米ニュージャージー州に拠点を移し、ニコライ・モロゾフコーチの元でトレーニングを始めたことがきっかけだった。

「ニコライコーチに出会い、フィギュアスケートのプログラムをスケート、音楽、衣装、メイクの『トータルパッケージ』で考えるようになりました。プログラムのメイクをアートとして、一つの表現方法として意識し始めたのは、それからです」

 安藤さんは早速、米国のコスメブランド「M・A・C」へ行き、メイクを学んだ。そこで、シーズンのプログラム「シェヘラザード」と「ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」のメイクを習ったことをきっかけに、プログラムを表現するメイクを追求するようになる。

「どうしたら、氷の上で美しく見えるか、ほかの選手として違って見えるのか? そんなことを意識しながら、プログラム用のメイクに取り組むようになりました。

 曲がクラシックの場合は衣装の色に合わせることが多いのですが、例えばシェヘラザードやクレオパトラを演じるプログラムでは、そのキャラクターに寄せたメイクを考えました。この場合、題材となるバレエや映画を観てインスピレーションをもらったり、クレオパトラであれば歴史を辿り、どういうメイクをしていたのかなどを調べたりしました。

 でも、骨格の異なる方と同じメイクをしても、美しくは見えません。そのままを取り入れるのではなく、日本人の自分の顔に合ったメイクを考えました」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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