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フィジカルとスキルが前面に出た3位決定戦 菊谷崇の目「いちファンとして楽しんだ」

元日本代表主将の菊谷崇氏【写真:編集部】
元日本代表主将の菊谷崇氏【写真:編集部】

NZはベテラン選手、ウェールズは若手選手が試合に加えた「勢い」というスパイス

 ニュージーランドは普段なかなか先発出場しないベテラン選手、ウェールズは怪我人続出で出場チャンスが巡ってきた若手選手が、それぞれいい勢いを試合に加えてくれました。タックルで相手をしっかり後ろに返したり、ペナルティーからクイックで仕掛けたり。あるいは、ほぼ全てのブレークダウンで互いにジャッカルで勝負に出てコンテストボールになっていた。勝ち点が重要になる試合や、負けたら次のステージに進めない試合では、あまり見られなかったプレーがたくさん飛び出し、ラグビーが持つ別の魅力を引き出してくれました。いい試合を見たな、と素直に思います。

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 僕がこの試合の中で印象深かったのは、前半終了間際にオールブラックスの14番ベン・スミスが2つ目のトライを決めたシーンです。ここはSHアーロンからWTBベンに繋ぐスミス→スミスのプレー。ベンはこの試合が代表最終戦でしたが、アーロンは92キャップ目、ベンは84キャップ目と代表で長く同じ時間を共有した2人だからこそ、スピードを付けて走り込んできたベンに対して、アーロンがロングパスを放れた。まさに阿吽の呼吸。見た時には「ここを通すか……」と(笑)。ラグビーはコミュニケーションがとても大切なスポーツですが、2人には互いがどういうプレーをするのは分かる経験があり、それを楽しんでいるようなプレーでもありましたね。

 準決勝のイングランド戦では、若い選手が多く経験の浅さが落とし穴になったオールブラックスですが、この日は両CTBのソニービル・ウィリアムズとライアン・クロティ、ベン・スミスも含め、ベテランが経験を生かしたいい働きを見せていました。となると、ふと頭をよぎってしまうのが「3位決定戦の先発メンバーで準決勝を戦っていたら、どうなっていたんだろう?」という疑問です。エディー(・ジョーンズHC)さんも苦労したのでは……。イングランドが考えていたゲームプランを、オールブラックスのベテラン陣が崩していたのでは……。もちろんハマらなかった可能性は十分あります。でも、「たら・れば」といろいろ思いを巡らせられるのが、またスポーツの面白いところかもしれません。

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