人気急上昇中、デビュー前に9社スポンサー

　その最中、キャディーの仕事で再会した会社社長から「続けなきゃダメだ。宮崎にずっといるから力が出せないんだよ。関東に行けば、試合の機会はたくさんある。そのための必要経費は出してあげるから、絶対に続けなさい」と言われたことで再起。昨年2月には都内に転居し、アプローチとパッティングのコーチと契約した上でミニツアー参戦で実力を伸ばした。

　そんな過程があってのプロテスト合格を果たした。持ち前の明るさと華やかさで、瞬く間にスポンサー契約のオファーが殺到。デビュー前に9社との契約が決まり、自己投資で新たにメンタルコーチとも契約した。

「いただいたいお金は自分を強くするために使っています」

　レギュラーツアーでは、主催者推薦で出場したデビュー戦のVポイント×SMBCレディスで13位、アクサレディスで50位。続く2戦は予選落ちしたが、暫定リランキングは26位につけている。来週のパナソニックオープンレディースも出場。ポイントを加算すれば6月のニチレイレディス終了時に実施される第1回リランキングで、中盤戦の出場権獲得（40位以内が目途）への道が開ける。

　新たに取り入れたクログリップ（右手の親指と人差し指でグリップを挟む握り方）でパットを復調させ、今大会の優勝に繋げた。7月の大東建託・いい部屋ネットレディス、9月の国内メジャー・ソニー日本女子プロゴルフ選手権の出場権を獲得。これを知った青木は「えっ、選手権にも出場できるんですか。今回の優勝と同じぐらいうれしいです」と目を見開き、声を弾ませた。

　人気急上昇中で女子ゴルフ界の新ヒロイン候補。奇しくもソニー日本女子プロゴルフ選手権は、青木が悲願を達成した最終プロテストと同じ茨城・大洗GC開催だ。

「そこで上位争いができればいいですね」

　開幕前に立てた目標は2つ。1つが「ステップ・アップ・ツアー優勝」だった。それを果たした今、もう1つの目標「レギュラーツアーでのトップ10入り」を果たすべく、25歳の苦労人は日々、自分を磨いていく。