クロフォードがスペンスJr.を撃破

　ボクシングの世界ウェルター級4団体王座統一戦12回戦は29日（日本時間30日）に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われ、3団体統一王者エロール・スペンスJr.（米国）とWBOスーパー王者のテレンス・クロフォード（米国）が激突。クロフォードが9回TKOで勝利し、世界初の2階級4団体統一を達成した。ダウンを3度奪取する衝撃のワンサイド決着。通算40戦40勝（31KO）。試合前から4階級制覇を達成した井上尚弥（大橋）とのパウンド・フォー・パウンド（PFP）論争が起きていたが、クロフォード戦を受けて米メディアは改めて評価を下している。

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　3団体王者スペンスJr.を終始圧倒し、その強さを強烈に示したクロフォード。25日のWBC＆WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチで2団体王者スティーブン・フルトンを8回TKOで破った井上との“最強論争”が起きていたが、米スポーツ専門局「CBSスポーツ」は「クロフォードVSスペンス戦の結果と振り返り：バドのマスタークラスが再戦の必要性を残さず」との見出しで記事を掲載した。

　記事では「数日前、イノウエがスーパーバンタム級に上げて2団体統一王者フルトンを圧倒した際、PFP最強ボクサーの議論は終わらせたかに思えた」と戦前の予想に触れつつ、「フルトンがいい選手だとはいえ、スペンスの方が優れている。イノウエがとても印象的だったとはいえ、エリート級のボクサーを破壊したクロフォードの方が印象的だったとは言わざるを得ない」と、クロフォード勝利のインパクトが強かったとした。

　米スポーツチャンネル「DAZN」も「クロフォードはどのようにイノウエのパフォーマンスを上回ったのか」とのタイトルをつけた記事で、「眩いほどの輝かしいパフォーマンスでイノウエのセンセーショナルな試合を上回り、彼がPFP最強であることにほぼ疑いを残さなかった」とクロフォードを評した。

「現在最強のボクサー？　テレンス・クロフォードがウェルター級統一戦で圧巻の勝利」との見出しを打ったのは、米スポーツメディア「ブリーチャー・レポート」だった。「（クロフォードがPFP1位であることに）議論はここにはない。そしていま、誰もがそれを知っている」とまで記した。

　これだけ評価されるクロフォードと比較されるだけでも井上の凄さが分かるが、どんな順位がつけられるにしても、両者ともに世界最高級のボクサーであることに違いはない。