織田記念国際で豪華メンバーが激突

　東京五輪まで約3か月となった中、陸上・織田記念国際が29日にエディオンスタジアム広島で行われ、男子100メートル決勝では山縣亮太（セイコー）が10秒14（追い風0.1メートル）で優勝した。最大3枠の五輪切符を争う6月の日本選手権（大阪）へ弾みをつける大会。雨中で気温15度前後の肌寒い気候の中、小池祐貴が10秒26で2位、桐生祥秀が10秒30で3位、多田修平が10秒32で4位だった。

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　3レーンの山縣は好スタートを切ると、序盤から先頭に立ち、ライバルの追撃を封じ込めた。序盤に出遅れた小池は後半に猛追し、桐生、多田を追い抜いた。しかし、山縣には届かず。レース後の会見ではこう振り返った。

「修正したいところはできた。前回のレースで風が強かったので、顔が浮き上がって足がつまった。その嫌な感覚を修正すること。前半はできなかったけど、（後半はできたため）とりあえず第一目標は達成できたのでよかった。（山縣には）しっかり走らないと普通に負けるんだなと思いました」

　多田は、序盤は山縣と競って2番手でレースを進めた。しかし、後半に失速し、桐生と小池にかわされて4位。「ちょっと内容は満足できていない。1位とも差が開いたので悔しい結果に終わった」と振り返り、こう続けた。

「後半が遅くなるということはフォームが乱れているということ。隣を気にしてしまった。今日はいつもよりスタートは上手くできたけど、後半で著しく減速してしまった。優勝する気持ちで挑んだけど、山縣さんと凄く差が開いて悔しい。自分の力が足りない。もっと早くならないと五輪に出られないし、（五輪参加標準記録の）10秒05も見えてこない。基礎力をもっと上げていけない」

　9秒97の日本記録保持者サニブラウン・ハキーム、ケンブリッジ飛鳥（ナイキ）は不在。今大会前までに五輪参加標準記録10秒05を突破していたのはサニブラウン、桐生、小池の3選手のみだった。5月9日には五輪テストイベント「READY STEADY TOKYO（国立競技場）」が行われる。