[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

陸上界で突然のオファーに「なんで私?」 異色タッグ結成の秘話…女子マラソンレジェンドが400m日本一に打診

唯一のトラック、マラソン両種目のメダリスト「自分と真逆の選手を指導したい」

 千葉さんは5位に入賞したアトランタ五輪の翌年、1997年アテネ世界陸上10000mで銅メダルを獲得。日本人選手の世界陸上女子トラック種目のメダルは初めてで、五輪を含めても1928年アムステルダム五輪、800m銀メダルの人見絹枝さん以来という快挙だった。

【注目】女性のバストは「激しく揺れている」 競技パフォーマンスに影響する可能性も…研究員が語る運動時の衝撃の大きさ(W-ANS ACADEMYへ)

 1999年から本格的にマラソンに進出し、2003年パリ世界陸上で銅メダル。トラックとマラソンの両種目でメダルを取っている日本選手は、男子も含めて千葉さんしかいない。

 2006年の現役引退後はテレビのレポーターや解説者を務めたほか、陸上競技以外の番組にも出演してきた。また「千葉真子 BEST SMILE RUNNING CLUB」を立ち上げ、ランニング普及にも尽力している。その間に結婚し、現在は2人の子ども(中学2年と小学6年)の母親である。

 その千葉さんが短距離選手の指導をする。衝撃的と言っていいニュースだった。

「だって面白くないですか? 自分と真逆の選手を指導するのって」

 テレビでお馴染みの甲高い声で、寺本の指導を始めた経緯を説明してくれた。

「私はスピードがなくて、400mは66秒ですよ。53秒の選手は私から見たら天才です。指導をするチャンスがあるなら、自分とまったく別の能力がある選手とタッグを組みたいと思っていました。現役時代からラストスパートが速い選手に憧れていましたしね。子育てが落ち着いたらいつか、陸上人生の集大成として指導をしてみたい。その思いはずっと持っていて、この10年間、準備をしてきたんです。解説をしながらトップ選手が強くなる過程を勉強したり、実業団長距離チームのアドバイザーを1年間したり。ここ数年、良い選手がいないかインターネットの動画をチェックしているなかで昨年、寺本選手を見つけたんです。面白そうだと思ったので天理大に連絡させていただきました」

 現役時代に見せた千葉さんの天真爛漫さが、指導者となった今も感じられる説明だった。

 千葉さんが一番に評価したのは、前述のように「スピード」だった。

「田中希実さん(豊田自動織機)を見てもわかるように、ある程度のスピードがあってこその中・長距離です。800mで2分を切るためには、400mで53秒台のスピードは必要だと思っていました。54秒台だったら声をかけていなかったと思います。今後長距離選手を指導するときが来るかわかりませんが、基本であるトラック1周から始めたいと思いました」

 フォームに関しては寺本の滑らかな動きが魅力だった。

「筋力のみに頼った走り方の選手もいますが、寺本さんは無駄のない効率的な走りが特徴です。軸がぶれず、左右のバランスがいいですね。(キック後の)脚が後ろに流れず、前でさばく動きができて、さーっと流れるような走りができます。800mを走る姿が想像できました」

 千葉さんの思いが寺本にも伝わり、“天才”同士が世界に向かって走り始めた。

(寺田 辰朗 / Tatsuo Terada)

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
ABEMA
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集