[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

創部64年目でなぜ躍進? 大学選手権初出場、東洋大ラグビー部が貫く“凡事徹底”の精神

全国大学ラグビー選手権は12月11日に東京、大阪の2会場で3回戦の4試合が行われる。すでに11月19日に開幕している同選手権だが、今週末からは関東大学対抗戦、同リーグ戦、関西大学リーグのシード勢が登場。帝京大の連覇か、阻止するチームがあるのかに関心が集まるなかで、東洋大は創部64年目で初の選手権に挑む。

創部64年目で初の大学選手権に挑む東洋大ラグビー部【写真:アフロスポーツ】
創部64年目で初の大学選手権に挑む東洋大ラグビー部【写真:アフロスポーツ】

29年ぶりの関東リーグ戦1部で3位に躍進、初出場の大学選手権で早稲田に挑戦

 全国大学ラグビー選手権は12月11日に東京、大阪の2会場で3回戦の4試合が行われる。すでに11月19日に開幕している同選手権だが、今週末からは関東大学対抗戦、同リーグ戦、関西大学リーグのシード勢が登場。帝京大の連覇か、阻止するチームがあるのかに関心が集まるなかで、東洋大は創部64年目で初の選手権に挑む。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 今季29年ぶりに関東大学リーグ戦1部に昇格すると、5連覇を目指す東海大を開幕戦で倒すなど波乱を巻き起こし、3位に食い込んだ。FL(フランカー)齋藤良明慈縁(らみじえん/4年)主将とフィフティーンの躍進を支えたのは、同大OBで元三洋電機ラグビー部(現・埼玉パナソニックワイルドナイツ)で主将も務めた福永昇三監督。同じ三洋OBの山内智一、宮本安正両コーチとともに、リーグワン最強軍団の源流となる“野武士軍団”のDNAと「凡事徹底」をチームに注ぎ込んできた。11日の対戦相手は対抗戦3位の早稲田大に決まった。優勝16度を誇る伝統校との初陣は、下剋上に挑むには最高の舞台になる。(取材・文=吉田 宏)

 ◇ ◇ ◇

 冬の装いになった埼玉県川越市の東洋大学川越キャンパス。50人のむくつけき挑戦者が1つの輪を作る。

 11月27日に江戸川区陸上競技場で行われた関東大学リーグ戦1部最終節で立正大を34-21で破り、1959年の創部以来初の大学選手権進出を決めてから3日。オフの2日を挟んでのリスタート。始まりはどのラグビー部でも見られる練習開始前の円陣だったが、この“新参”チームの流儀は少し違う。円陣がほどけたと思うと、選手はおもむろに隣同士が2人1組で向き合った。

「あ、あれね。笑顔の確認です」

 身長190センチの巨体を揺らして、突拍子のない説明をしたのは指揮官の福永昇三だ。

 学生時代は、4年で主将として関東大学リーグ戦2部を全勝で終えたが、入替戦で敗れて1部昇格は果たせなかった。あと一歩というほろ苦い学生生活ではあったが、その後は三洋電機でLO(ロック)として活躍。リーグワンの前身トップリーグが発足した2003年から主将も務めた。経験値を買われて母校に戻って5シーズン目の今季、自身は選手として果たせなかったリーグ戦1部を戦い、3位に食い込んだ。東洋大にとって29年ぶりの1部だけでも歴史的なシーズンだったが、チームはさらに新たなステージに駆け上がろうとしている。

1 2 3 4 5 6 7

吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集