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日本ラグビー、代理人業の実態 外国人選手では「乱立状態」、関係者が警鐘鳴らす理由

日本のラグビー界は変革期を迎えている。2019年ワールドカップ(W杯)日本大会では代表チームが初のベスト8入りを果たし、今年1月には国内最高峰の大会としてリーグワンが誕生。従来の企業スポーツから段階的にプロ化へと進む方向だ。W杯の成功も後押しして海外トップ選手の参戦も後を絶たず、プロ希望の日本選手も増えている。このような流れの中で存在感を高めているのが、選手の代理人を務めるスポーツエージェントだ。

「リーグワンと代理人の今」、ラグビー代理人業の課題とは【写真:Getty Images】
「リーグワンと代理人の今」、ラグビー代理人業の課題とは【写真:Getty Images】

「リーグワンと代理人の今」前編、プロ化への流れで高まる存在感

 日本のラグビー界は変革期を迎えている。2019年ワールドカップ(W杯)日本大会では代表チームが初のベスト8入りを果たし、今年1月には国内最高峰の大会としてリーグワンが誕生。従来の企業スポーツから段階的にプロ化へと進む方向だ。W杯の成功も後押しして海外トップ選手の参戦も後を絶たず、プロ希望の日本選手も増えている。このような流れの中で存在感を高めているのが、選手の代理人を務めるスポーツエージェントだ。

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 サッカーなどプロスポーツではすでに一定の市民権を得て、映画やテレビドラマ『オールドルーキー』でもスポットが当てられているが、ラグビーでは海外大手から個人経営まで玉石混淆の状態だ。エージェントの実態は、そして課題はなんなのか。エージェント本人、チーム、リーグとそれぞれの立場からの声を聞くことで、日本ラグビーの現状と未来への課題が見えてくる。(取材・文=吉田 宏)

 ◇ ◇ ◇

 テレビや映画でもスポットが当てられるようになったスポーツエージェント。社会ではようやく認知されてきた仕事だが、そのイメージはチームとの契約交渉などで選手に優位な条件を勝ち取り、仲介料を得るというものだろう。選手は商品であり、チームにいかに良い条件で高く買わせるかという、ビジネス的な側面が一般的な印象だろうか。決して誤りではないが、その一方で日常のエージェントの仕事は多岐にわたり、選手の公私にわたるサポート役のような一面もある。エージェント会社「パシフィック・スポーツ・マネジメント」を2019年に立ち上げた小林清は、自身の経験を踏まえて、エージェント業をこう説明する。

「重要なのは、人間が相手だということです。その人たちの暮らしがあって、選手を辞めた後の人生もある。そういうことを全般的に考えて、お互いがいい形に持っていくことがエージェントの仕事です。ビジネスという人もいますけれど、僕自身の考えとしては単なるビジネスじゃない」

 小林自身も2018年までは日野レッドドルフィンズなどで通訳を務めて、この業界に参入してきた。エージェントとしてはまだ新規参入だが、日野在籍時にGMの補佐役として選手の契約交渉などにも立ち会ったことで、エージェント、チーム双方の立場や考え方を体感していることが役立っている。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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