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日本が「ラグビー先進国になるチャンス」 W杯“再誘致”の勝算、協会新会長が語る夢

さまざまな経験を経て日本ラグビーのリーダーとなった土田雅人新会長、改革への意欲を見せた【写真:高橋学】
さまざまな経験を経て日本ラグビーのリーダーとなった土田雅人新会長、改革への意欲を見せた【写真:高橋学】

ジョセフHCが退任の瀬戸際まで来ていた危機的状況

 協会理事に就任した2015年でエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が日本代表を去ったが、中編でも語っていたように、ジェイミー・ジョセフHC招聘を進め、トニー・ブラウン・コーチの就任もマストだと判断したのも、当時強化担当だった土田理事が思い描く日本のラグビーを体現するには欠かせない人材だと判断したからだ。

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 同時に強くこだわりを持つのが、そのラグビースタイルに裏打ちされた日本代表に誇りを持ち、世界からも称賛されるチームにしようという思いだ。土田会長が脳裏に焼きつけるのは、理事就任前の2011年に開催されたW杯ニュージーランド大会での出来事だ。

「ジョン・カーワンHCで臨んだ大会ですが、ニュージーランド戦で日本はベストチームを出さなかった。世界最強の相手との対戦に、ああいう失礼なことがあるわけですよ。向こうはキャプテンもメンバーに入れてきて(その後メンバー変更)1軍を出してきた。これは世界で戦うというところで、まだ日本に認識の差があったということです。こういう事実が世界各国に流れてしまうことが何を意味するのか。ワールドカップで代表として戦うことは、勝ち負けだけじゃなく、国の代表としての誇りをかけた戦いですから」

 土田会長が憤った誇りを持ったチーム作りは、ジョーンズHC、そして自身も招聘に大きく関わったジョセフHCの下で実現できた。ジョセフ体制では19年大会で史上初のベスト8進出。HC続投で臨む来年のフランス大会ではさらに上を目指すが、指揮官就任後には退任の瀬戸際まで来ていた危機的な状況もあったと振り返る。

「2018年春のイタリア代表戦の時ですね。僕が強化担当理事だったので、ジェイミーとも話し合っていた。あの頃は、ジェイミー体制で本当に勝てるのかという空気感があった。実は、イタリアとの2連戦で連敗していたら危ないという雰囲気もあり、ジェイミーを呼んで一緒に食事をしたんです。たぶん本人も何か雰囲気を分かっていたと思います。なので、僕からも『まさか2戦目で1軍を出すんじゃないだろうな、1戦目からベストメンバーを出せ』と伝えました」

 前任のジョーンズHC時代が、指揮官の思い描いたラグビーを80分間徹底する管理ラグビーで成功を収めたのに対して、ジョセフHCは、状況に応じた個々の判断を求める即興性を重視した。キックを多用したアンストラクチャー(陣形が整っていない状況)な戦術なども、選手の中には切り替えの難しさや不安が少なからずあった。だからこそ、勝つことが重要だという判断が、土田会長の胸中にはあった。平尾ジャパン時代にHC、選手として築いた信頼関係で、ジョセフHCと腹を割った話し合いができたのも大きかったはずだ。結果的に初戦は日本、2戦目はイタリアと勝敗を分けたが、連敗を回避したことで日本代表は真のワンチームへと動き始めた。

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土田 雅人

日本ラグビーフットボール協会会長 
1962年10月21日生まれ、秋田県出身。名門・秋田工高で頭角を現すと、同志社大に進学し平尾誠二らと大学選手権3連覇を果たす。卒業後はサントリーに入り、ラグビー部で活躍。95年に現役を引退してサントリー監督となると、1年目で日本選手権優勝に導いた。97年からは日本代表フォワードコーチとなり、監督となった平尾を支えて99年W杯を経験。2000年からは再びサントリーを率いた。本業でも要職を歴任するなか、15年に日本ラグビー協会理事に、今年6月には新会長に就任した。

吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19年と6大会連続で取材。

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