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厳しさを増す女子ゴルフ戦国時代 メジャー制覇の三ヶ島かなも闘った「職場を失う怖さ」

3月3日に開幕するダイキンオーキッドレディスに臨む【写真:荒川祐史】
3月3日に開幕するダイキンオーキッドレディスに臨む【写真:荒川祐史】

実力者揃いの女子ゴルフ界、大切なのは「楽しいと思い続けること」

 同年の合格者には、前年のプロテストに落ちた「黄金世代」の渋野日向子、原英莉花、初受験の稲見萌寧も名を連ねた。3人は19年シーズンから勝利を重ね、昨季終了時までに渋野が6勝と全英女子オープン優勝、原が4勝、稲見が10勝を飾っている。

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 翌19年テストに合格したプラチナ世代の古江彩佳は6勝、西村優菜は4勝、吉田優利は2勝、その1学年下の笹生優花は2勝と全米女子オープン優勝だ。一方の三ヶ島は18年以降もシード権を守っていたが、優勝には届かず。昨年の初優勝会見の際は、「若い子がうまいし、無理なのかなと思うこともありました」と打ち明けた。

 だが、その壁は突破できた。20年から契約した青木翔コーチの勧めで、持ち球をドローからフェードにチェンジ。ショットの安定感がさらに高まった。

「青木さんとは『まずは、予選落ちを減らそう』ということになりました。30位以内で通過したらトップ10に入れる可能性も高くなる。実際に全体的な底上げはできましたし、やっていることは間違いないという手応えはありました」

 しかし、青木コーチとの契約は昨季限りで終了。今季はコーチを付けずにプレーすることになった。

「青木さんは、『ゼロをイチにできたら卒業』という感じの人で、私の場合は勝つことでした。正直、2年見てもらったので、離れて不安はあります。ただ、同じ福岡県出身で話しやすいですし、『いつでも連絡してきて』と言われています。なので、困った時は頼ろうと思います」

 ただ、強力な年下選手、同世代、年上選手としのぎを削るシーズンを戦い抜くには、タフな心身が求められる。優勝経験者でも、出場機会を失いかねない戦国時代。25歳の三ヶ島は言った。

「やっぱり、長くやっていくには気持ちが大事だと思います。ゴルフを『楽しい』と思い続け、向上心を持ち続けることです。そういう気持ちがないと体力もつかないわけで、私の場合は『1勝したからもっと勝ちたい』という思いで、このオフも練習とトレーニングを重ねてきました」

 2月に入り、初優勝の地でもある宮崎で合宿をし、状態とモチベーションを高めてきた。あとはプレーするのみ。まずは、年をまたいでの2連勝を目指し、ダイキンオーキッドレディスを勝ちにいく。

■三ヶ島かな(みかしま・かな)

 1996年7月13日、福岡県須恵町生まれ。沖学園高卒。10歳でゴルフを始め、約1年後には全国小学生ゴルフ大会女子の部24位。中学、高校も全国レベルで活躍し、国内女子ツアーの最終予選(QT)を5位で突破して16年からレギュラーツアーに参戦。17年には賞金ランク41位でシード選手となり、18年7月にプロテスト合格。得意クラブは7番アイアン。20-21年統合の昨季は、獲得賞金8906万6929円で賞金ランク18位。血液型AB。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

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