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ワリエワはなぜ全ジャンプで両手を上げる? 「難しい」という先入観を壊した効果とは

「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。

すべてのジャンプで「両手を上げる」ワリエワ、「美しい空中姿勢」だけじゃない効果とは【写真:AP】
すべてのジャンプで「両手を上げる」ワリエワ、「美しい空中姿勢」だけじゃない効果とは【写真:AP】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#28 異次元だったワリエワの演技を分析

「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。

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 6日にフィギュアスケート団体戦の女子ショートプログラム(SP)が行われ、ロシアオリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワが登場し、自身が持つ世界歴代最高得点(90.45点)に迫る90.18点をマーク。「ロシアの最高傑作」と呼ばれる15歳の異次元の五輪デビューは、世界に衝撃を与えた。その凄さはどこにあるのか。すべてのジャンプで「両手を上げる」ワリエワの空中姿勢の美しさと、それがもたらす効果に注目した。(取材・文=野口 美惠)

 ◇ ◇ ◇

 北京五輪の開幕から3日目、ROCのカミラ・ワリエワがフィギュアスケート団体戦の女子SPで、五輪デビューを果たした。冒頭でトリプルアクセルを決め、すべての要素をパーフェクトに演じる。圧巻の演技で、この種目で1位となる90.18点をマークした。

 あまりにすべてが完璧で、ジャンプもスピンも、演技力もすべてが圧巻。まさに誰も敵わない「絶望」の異名通りの演技だった。

 技術それぞれに、秀逸な理由はあるのだが、中でも目を引くのはジャンプの空中姿勢だろう。手を上げて跳ぶロシアの女子選手は多いが、彼女はすべてのジャンプで手を上げる。男子でさえ、トリプルアクセルで手を上げて跳ぶ選手はいないというのに、なぜ女子の彼女がそんな離れ業をやってのけるのだろうか。

 まずロシア女子が手を上げるのは、2017-18シーズンまで適用されていたルールの影響だ。ジャンプでプラスをもらえる要件の1つに「空中姿勢の変化」があり、両手を上げる姿勢はこれに該当した。つまり両手を上げるジャンプを身に付けていれば、すべてのジャンプでGOE(出来栄え点)で「+1」を積み増していけるのだ。

 この加点に注目したのはロシアのコーチ、エテリ・トゥトベリーゼ。彼女の教え子たちは、ことごとく両手を上げるジャンプを身に付けていった。平昌五輪ではアリーナ・ザギトワとエフゲニア・メドベージェワが、やはり手を上げるジャンプの加点を武器に、金メダルと銀メダルを手にした。ワリエワは、その門下生だ。

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野口 美惠

元毎日新聞記者のスポーツライター。冬季五輪は2010年バンクーバー大会から現地取材。自身のフィギュアスケート経験をもとに技術面を丁寧に描写した記事に定評がある。スポーツ専門誌などに幅広く寄稿。著書に『伊藤みどり トリプルアクセルの先へ』(主婦の友社)、『羽生結弦 王者のメソッド』(文藝春秋)など。

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