後輩・渋野日向子から届いた1通のLINE 23歳成澤祐美、6度目でプロテスト合格を掴むまで
ペ・ソンウに褒められて自信…両親には「お金返します」
「今、思えばその決意と行動が良かったと思います。課題にしていたラフからのショットもしっかり練習できましたし、9月からは新たに教わった練習をして苦手にしていたパットも良くなってきました」
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言葉通り、成澤は師事するシニアプロの坂本圭治から紹介された岡茂洋雄の指導を受け、約80センチのパットを強めに打ってカップの真ん中から入れる練習を繰り返した。そして、日本シニアオープンで坂本のキャディーを務め、パットやマネジメントを学んだ。
「この練習でパターの芯に当てて弾く感覚がつかめてきました。ストロークは緩まないし、3、4メートルのパットが入るようになってきました。岡茂プロとの出会いと坂本さんからの助言はものすごく大きかったです」
その流れで再び予選会を突破して出場した日本女子オープンで32位に入り、賞金100万2857円を獲得。自信を持って臨んだ21年度最終プロテストでもパットに救われた。
「第1Rも第2Rもトリプルボギーをたたいていますが、パットで取り戻すことができました。最終Rもダボを打ちましたが、5バーディーを取って73で耐えることができたのは、パットのおかげです」
文字通り、積み重ねと強い思いがあったからこその合格。ただ、成澤は「ギリギリでの合格ですから、『あの1打が入らなかったら』と思うと怖くなります。もし、不合格だったら、『あと1年で終わり』とか、自分の中で区切りをつけていたでしょう」と話す。そして、これまで支えてくれた家族、周囲への感謝を言葉にした。
「岡山に戻って、すぐに作陽の(田渕潔)監督や久米CCへ挨拶に行き、『おめでとう』と言っていただきました。今回、作陽から私を含めて4人が合格したので、さらにみんなで作陽の名を広げ、これから受験する作陽生の励みになればうれしいです。そして、久米CCをはじめお世話になった全ての方々に恩返しをしたいです。両親にはたくさんのお金を使わせたので、これから頑張って返済していきます。日本女子オープン2試合で稼いだお金も、自分のものだとは思っていませんから(笑)」