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「こんなに頑張ってるのに…」 池江璃花子が抱えた心と体力の苦闘、全ては世界の8人に残るため

女子50mバタフライ準決勝、親友サラ・ショーストロムと隣りで泳ぎ切った池江(右)【写真:ロイター】
女子50mバタフライ準決勝、親友サラ・ショーストロムと隣りで泳ぎ切った池江(右)【写真:ロイター】

結果が出ないことに葛藤「こんなに頑張ってるのに、なんで…」

 海外選手のフォームも研究し、微修正に励んだ日々。ライバルたちの努力に敬意を持つが、それ以上に歯を食いしばった自負がある。「泳ぎの面では過去に引けを取らないと思う。あとはスタートの強化。改善点はまだある」。下半身のトレーニングも人並み以上に重点を置いた。だが、今大会はここまで2種目で決勝に届かず。



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「復帰して数年経つけど、どんなに工夫して研究しても、何がよくないのか正直わからない。こんなに頑張ってるのになんで結果が出ないんだろう。あとは何が足りないのか」

 個人4種目に加え、リレーにも出場。「ブランクがあって体力がない」。葛藤は続いた。それでも、勝負の姿勢は曲げない。「強気で行く」。目標の決勝へ。左隣りでレースを引っ張ったのは、親友のサラ・ショーストロム(スウェーデン)だった。五輪と世界選手権で金5つ、銀5つ、銅2つを獲得してきた最強スイマー。池江は勢いに引っ張られるように腕を回し、1、2位フィニッシュを決めた。

 池江にとって憧れでもある。白血病で闘病生活中だった2019年大会は、表彰台から「リカコ、諦めないで」とメッセージを書いた手のひらをテレビカメラに掲げ、エールをくれた。そんな関係性を知る日本の観客は、ショーストロムの入場でも拍手喝采。池江は「これがスポーツのいいところだなって。自分も憧れられる選手になりたい」と噛みしめた。レース直後、コースロープを挟んで力強く握手した。

 29日は午前に50メートルの自由形予選、午後にバタフライ決勝。メダルへの意識は「全くない。なので、期待しないでください(笑)」。春から社会人スイマーになったが、期待を背負いすぎる必要はない。

 まだプールに戻って3年と少し。世界で8人しか立てない場所にいること自体が奇跡的なこと。

「違うものを背負うようになって、結果を出さないといけないという気持ちが今まで以上に強い。それでも結果を出しても、出さなくても支えてくれる人たちがいる。そういう方々のためにもしっかりやりたい」

 いつか過去の自分を超えるため、全てを出し切る夏にする。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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