[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

摂食障害を克服して日本記録 陸上・寺田明日香の大切な言葉「逃げることは悪くない」

日本選手権で11年ぶりに優勝した寺田、摂食障害に至った要因と克服までの経緯とは【写真:荒川祐史】
日本選手権で11年ぶりに優勝した寺田、摂食障害に至った要因と克服までの経緯とは【写真:荒川祐史】

10年経って振り返る要因「自分と周りの理想像を考えすぎていた」

 10年ほど経ち、摂食障害に至った要因を振り返ってもらった。若かった当時の自分が客観的に見えてくる。

「周りとコミュニケーションをうまく取れなかったのもあるし、自分の理想像と周りが期待する自分の理想像を考えすぎていた。自分の中に『寺田明日香』の像があって、弱い部分を他人に見せたくなかったし、できるだけ人に頼りたくなかった。何でも自分で解決しよう、完璧にこなそうという思いが強かったのは、かなり大きな要因だったと思います」

 完璧主義な一面があり、SOSを出せなかった。引退後は北海道で実家暮らし。摂食障害にならないためには、なった時にはどうしたらいいのか。ここから寺田が送った3か月間の生活に一つのヒントが示されている。

「プツっと糸が切れた状態だったので、私自身は特に大きなことは意識していませんでした。母も心配しすぎず、いい距離感で普通に接してくれた。『食べたかったら食べな』『食べたくなかったら食べなくていいよ』と。干渉されすぎると『やらなきゃ。やらなきゃ』と思ってしまうので、距離感が凄くありがたかった。そのうち、お腹が空く感覚も戻り、食べても大丈夫だと思えるようになっていきました」

 親だからこそ、つらい姿をする我が子に口出ししたくなるもの。それでも、母はそっと見守ってくれた。小学生の時、陸上を始めて1年間はコーチをしてもらったが、陸上クラブに入部後は干渉されず。「信頼してもらえている感じがよかった。母はある程度見つつ、『あとは上手にやりなさい』という感じの性格」と適度な放任主義に感謝している。

 普通にごはんを食べることから始め、レディースクリニックにも通った。半年ほど止まっていた生理も、薬の服用もあって戻ってきた。

 今では「チームあすか」を結成し、東京五輪決勝の舞台を目指して戦っている。コーチ、トレーナー、栄養士、針治療担当、理学療法士、歯科矯正、メンタルケア、運営など多岐にわたるスタッフたち。マネージャーの夫、そして何より欠かせないのが「応援団長」の一人娘だ。

 10年前、誰にも頼りたくなかった自分は今、仲間に絶大な信頼を寄せている。

「何の利害関係もなく、本気で何かに取り組める関係ってあるんだなって。そう思えてから、周りにいろんなことを言えるようになった。(競技を離れた時期に)仕事をしたり、大学に通ったり、多くの人と協力して何かを作り上げる経験をした。ラグビーもそうです。自分の足りない部分を誰かに補ってもらい、誰かの足りない部分を自分が補えるって凄くいいこと。その経験が大きいと思います」

 女子アスリートが結婚、出産を経ても競技復帰できるようなスポーツ界を願い、自身がロールモデルになろうと取り組んでいる。若い選手と一緒に練習する機会も多い。悩み相談を受ければ「一つの考えとして聞いてね」と参考意見を伝えている。

1 2 3
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
スポーツ応援サイトGROWING by スポーツくじ(toto・BIG)
DAZN
フクヒロペアが選んだのは、ワコールのスポーツブラでした。
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
#青春のアザーカット
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集