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D組最強イングランドの弱点が「クリアに見える」 快勝ラグビー日本、中村亮土に自信漲る背景

日本代表がチリの戦う姿勢から得た学び

 この日の敗者からも、学ぶものがあった。W杯初出場のチームは、ボールを手にすると、愚直に、果敢にアタックを仕掛けてくる。サイズ、技術はW杯レベルではないが、思い切りのいいアタックや防御で日本を苦しめた。

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 前日練習でふくらはぎを痛めて、試合当日に欠場が決まったNO8姫野和樹主将(トヨタヴェルブリッツ)に代わり、ゲームキャプテンを務めたSH流大(ゆたか/東京SG)は、南米からの挑戦者をこう称賛した。

「本当に素晴らしいチームだったと思います。フィジカルも強いですし、我慢強さは学ぶべきことも多々ありました」

 常に挑んでくるような姿勢は、7月の国内戦から思うように結果を残せなかった日本代表に欠けていた部分でもある。そんなチリからの学びもチームに還元して挑むイングランド戦に、中村とともにこの日トライを決めたFLリーチ・マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)は、キックオフ時間にも追い風を感じている。

「チリ戦は暑い中での試合になったが、来週は夜。調子が出るので、体をしっかり調整していきたい」

 チリ戦が行われたトゥールーズは、連日30度前後の暑さが続くが、ニースでのイングランド戦はキックオフが午後9時。長期予報でも最高気温25度と、リーチの大好きな時間帯、そして涼しさが戻ってくる。イングランドの大型選手にもプラス材料だが、運動量、スピードで相手を翻弄したい日本代表にも追い風になる。

 チリ戦の欠場で状態が心配される姫野主将だが、リーチは「本人はいけると言っていたが、ここで怪我して来週(イングランド戦)出場できないとなると迷惑をかけるので、今回は出場を諦めた。来週は爆発してくれるのを期待しています」と若きリーダーへ期待を込める。

 過去の対戦成績は10戦全敗だが、自信は揺るがない。世界有数のリゾートを舞台に、桜のジャージーが“ニースの奇跡”へ準備を加速させる。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)





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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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