渋野日向子「一人じゃ何もできない」 全英Vの喧騒に襲われ、気づいた“他人の力”
女子ゴルフのツアー最終戦・LPGAツアー選手権リコー杯は1日、宮崎CC(6535ヤード、パー72)で最終日が行われ、首位と2打差の3位で出た賞金ランク3位の渋野日向子(RSK山陽放送)は、通算7アンダーで2位タイ。逆転賞金女王へ単独2位以上の最低条件をクリアできず、5位で終えた鈴木愛(セールスフォース)に女王を譲った。無名の存在から一躍ゴルフ界の顔となった21歳。海外メジャー制覇の快挙を成し遂げた後、大切なものに気付かされたという。
目標と期待に差、周りに支えられた1年「いろんな人と出会えた」
女子ゴルフのツアー最終戦・LPGAツアー選手権リコー杯は1日、宮崎CC(6535ヤード、パー72)で最終日が行われ、首位と2打差の3位で出た賞金ランク3位の渋野日向子(RSK山陽放送)は、通算7アンダーで2位タイ。逆転賞金女王へ単独2位以上の最低条件をクリアできず、5位で終えた鈴木愛(セールスフォース)に女王を譲った。無名の存在から一躍ゴルフ界の顔となった21歳。海外メジャー制覇の快挙を成し遂げた後、大切なものに気付かされたという。
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最後の最後にもやもやが晴れた。前半は一つも伸ばせず、苦しい展開。パープレーが続き、10番でバーディーパットを外した。「あっ、今日は終わったな」。一つ後ろの最終組でペ・ソンウ(韓国)が猛然と伸ばす。渋野も11、12番の連続バーディーで食い下がったが、18番をプレーしている時には4打差がついた。鈴木も好位置でフィニッシュ。優勝も、賞金女王も届かないことはわかっていた。
18番グリーン上。大声援をくれたギャラリーに取り囲まれた。2019年最後のパットは、残り2メートル半。「今日のどのパットよりも気持ちが入った」。感謝の思いを乗せたボールはカップに消えた。「入った瞬間は安堵というか、笑いしか出なかった」。夢のような激動の1年をバーディー締め。満面の“しぶこスマイル”が最後に咲いた。
「本当に1週間長かったけど、最後のバーディーでもう悔いがない、とスッキリしています。(ブチ切れていたと話した)昨日と人が全然違うくらい気分スッキリです。(賞金女王を逃した悔しさは)全くないです。本当にないです。ごめんなさい(笑)」
予想できないほど飛躍した。2017年はプロテスト不合格。昨年は下部のステップアップツアーが主戦場だった。プロテストに合格し、今季からレギュラーツアーに本格参戦。5月の国内メジャー・サロンパスカップでツアー初優勝を飾ると、7月のアネッサレディスで2勝目。1か月後に世界を揺るがす快挙を成し遂げた。
試合では初めて海を渡った8月の全英女子オープン。日本人42年ぶりの海外メジャー制覇を成し遂げた。海外メディアに名付けられた「スマイリングシンデレラ」の愛称とともに社会現象を巻き起こすフィーバーぶり。ラウンド中に食べていた駄菓子は売り切れた。チャームポイントの笑顔で国民的ヒロインとなり、出場する試合は毎回のように最多の観客動員を記録した。