“第2のネリ”防ぐには海外も厳罰化を 日本人元世界王者の主張「明確な規則作らないと」
試合中止の「厳粛さ必要」、ルールのない海外の現状に嘆き「ファンに明確じゃない」
興行の規模が大きくなればなるほど、チケットやテレビ中継の関係で試合を中止しづらくなるという事情もある。伊藤は「興行上、試合をやらせてしまうのはしょうがないという部分もあると思いますけど」と一定の理解を示した上で「やっぱりやらせない厳粛さもかなり必要になってくる」とルールの必要性を説いた。
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「ただ、計量失敗が全て悪いとは思わない。計量失敗はいけないことですけど、体のことなので、どれだけ楽な減量でも、どれだけ厳しい減量でも、起きてしまうときは起きてしまう。僕はそれに対する厳罰、適正な処置が必要だと思います。
1年間、試合をさせないならさせない、罰金なら罰金、何か決まりを作らないと。(ファイトマネーの)10%だけ渡して試合ができるとなったら、『別にいいや』と思って、(意図的な超過を)やる人がいっぱい出てくる。まず、計量失敗の時点で試合はさせない。これは僕はマストだと思います。興行がどうなろうと、させないことが大事。その上でどういう処置をするか、ルールとして決めることが凄く大事になる」
ネリは山中戦での体重超過後、ファイトマネーの支払いを一部凍結され、JBCから永久追放処分を受けた。しかし、これは日本国内で試合ができないだけで、米国や母国・メキシコでは試合可能。WBCからは6か月の出場停止処分を科されたが、年に2、3試合しか行わないボクサーにとって重罰とは言えないものだった。伊藤は言う。
「実際、6か月試合をしないのは、結構簡単ですからね。1回失敗したら1年間、せめて10か月ですよね。それくらいは試合をさせない、罰金もファイトマネーの何%は払わせるとか、何かしらないと。団体ごとでもいいので、決まりを作らないといけない。
(ファンに)明確じゃないですからね。自分にもリスキーになるけど、計量失敗が本当の悪になるというか、僕はそこのルールがないことの方が悪なのかなと思う。だからそういう人を生んでしまう。ネリの精神論(考え方)と、僕の精神論と、他の選手の精神論は違うので、ルールで裏付けされていれば、計量失敗した人たちを一定に厳罰できる。ルールがないのが一番の問題かなと思います」
度重なるネリの騒動で話題に上がった問題。長い歴史があり、崇高なスポーツとされるボクシングは、良い方向に進むのだろうか。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)