恋人が誤って自身のクラブを持ち帰り…

　米女子ゴルフのメジャー第2戦・全米女子オープンは現地1日、ウィスコンシン州のエリンヒルズGC（6829ヤード、パー72）で最終日が行われる。出場している20歳のアマリ・エイブリー（米国）は、大会中、滞在先で窃盗未遂に遭う恐怖の体験をしたと告白。さらに、移動先のホテルでも災難に見舞われた。

　米専門誌「ゴルフウィーク」は「アマリ・エイブリー、窃盗未遂とクラブ借用、そして全米女子オープンに出場できている理由」との見出しでこの一件を報じた。現地5月30日未明、家族と滞在中のAirbnbに侵入未遂事件が発生。エイブリーは「ボーイフレンド、母、父がドアの外にその人物を見たので、少し怖かった」「私たちは前のドアから距離を取り、ただ事態が収まるのを祈っていた。幸いにも男はその場を去り、警察が来てくれて安心できた」と状況を説明した。

　その後、急遽ホテルへ移動したため、自身のクラブは部屋に残したままだった。翌朝、ボーイフレンドのギャビン・アウリリアがAirbnbに立ち寄って回収したが、誤ってエイブリーのクラブを持ってアリゾナの別大会へ出発。2人が同じバッグを使用していたため発覚が遅れ、彼女は「午後12時半にホテルで座りながら『まあ、棄権するしかないか、昨日はかなりいいラウンドだったのに』と思った」「正直、ショックだった」と胸の内を明かした。

　混乱の中で助けとなったのが、友人であるガビ・ラッフェルズの存在だった。エイブリーが第2ラウンドをスタートする前に、ラッフェルズはすでに予選落ちしており、代理人の勧めでクラブを借りることができた。「私だって、たぶん貸さないと思う。残念ながら彼女は予選落ちしたけど、私にとっては幸運だった。彼女は本当に人格者で、大切な友人だから、クラブを貸してくれた。そのおかげで私はプレーでき、予選を通過することができた。本当に、ここにいられて嬉しい」と感謝を述べた。

　エイブリーはラッフェルズのクラブで第2ラウンドを回り、2バーディー、3ボギーの通算1オーバーとし36位で予選通過。第3ラウンドからは自分のクラブが手元に戻ったものの、3バーディー、1ボギー、3ダブルボギーで通算4オーバーの41位に後退した。それでもエイブリーは、「昨夜ガビに電話したあと、『本当にクラブを貸してくれてありがとう』と伝えた。冗談で、『あなたのパター、もらっちゃうかも』って言ったわ」と、明るく語っていた。