フィギュアスケート全日本選手権男子フリー

　フィギュアスケートの全日本選手権（長野・ビッグハット）は23日、男子フリーが行われ、ショートプログラム（SP）1位の宇野昌磨（トヨタ自動車）が193.35点、合計298.04点で、2年連続とともに羽生結弦、本田武史と並んで歴代2位となる通算6度目の優勝を飾った。宇野は来年3月の世界選手権代表に内定。最終組はノーミスが連発する内容で、2位は合計292.10点の鍵山優真、3位は同287.00点の山本草太が入った。

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　最終滑走で登場した宇野は冒頭の4回転ループでバランスを崩したが、続く4回転フリップは綺麗に着氷。以降は高さのある3回転アクセルなど次々と成功させ、後半いは4回転トウループも決めた。指先まで神経の行き届いた表現力も織り交ぜ、質の高いステップ、スピンも披露。滑り終えた宇野は安堵した表情で両手を広げて「セーフ」のジャスチャーを見せ、耐えに耐えた4分間を物語った。会場からは笑いと労いの拍手に包まれた。

　宇野は21日に行われたショートプログラム（SP）で4回転フリップを成功させるなどノーミスの演技を披露。「6分間練習、直前の氷上からコンディションがあまりよくないと感じていた」と言いながら、唯一100点超えとなる104.69点を記録し、貫録を示していた。

　フリーの最終組は次々とノーミスの演技が連発したが、百戦錬磨の経験が味方した。中継局のインタビューでは「素直にこれだけのハイレベルの中、今日は特に皆さんが素晴らしい演技が続いて、その中で優勝できたことが凄くうれしい。それでも皆さんに比べると劣る内容の演技だったと思うが、SP、フリーともに自分の状態に合った演技だったと思う」と謙虚に振り返り、ファンやコーチら周囲に感謝を述べた。

　全日本6度目の優勝は羽生、本田とともに歴代2位タイ（1位は佐藤信夫の10度）。特に、2011年の高橋大輔を最後に12年間、羽生と宇野で頂点を占めている。6度目の優勝については「振り返ると長い月日だったと痛感させられる。いろんな状態で全日本選手権に臨むことがあり、やっとここ数年、自分が地に足がついて試合ができるようになったという実感はあるけど、全日本はほかの大会よりも緊張する大会と改めて思った」としみじみと話した。