日米共催ツアー・TOTOジャパンクラシック

　女子ゴルフの日米共催ツアー・TOTOジャパンクラシックは5日、茨城・太平洋クラブ美野里C（6598ヤード、パー72）で最終日が行われた。統合シーズンだった2020-21年の日本ツアー賞金女王・稲見萌寧（Rakuten）が4バーディー、1ボギーの69で回って通算22アンダー。米ツアー初勝利で通算13勝目を挙げた。22年8月の日本ツアー・ニトリレディス以来、約1年3か月ぶりの優勝。優勝賞金30万ドル（約4500万円）と、米ツアーの出場権を獲得した。優勝インタビューでは涙。「今年は結構苦しい時期の方が多かった。ここで優勝できてよかった」と喜びを口にした。

【注目】“くいこみ”問題やズレ、ムレ、モレの悩みを軽減！　大学生アスリート６人がCW-X「スポーツ専用ショーツ」を試してみました（W-ANS ACADEMYへ）

　首位と1打差で出た稲見は4番、7番で伸ばし、桑木と1打差でサンデーバックナインへ。12番パー5で稲見は2オンに成功。イーグルパットを惜しくも外して天を仰ぐも、バーディーを奪った。一方の桑木は痛恨のボギー。単独首位の座を稲見に明け渡した。しかし15番パー4で、稲見が距離の残ったパーパットを沈められずボギー。21アンダーで2人が並んだが、続く16番パー3で今度は桑木がボギー。この時点で5つ伸ばして一気に浮上したペ・ソンウと稲見が21アンダーで首位タイになった。

　ペ・ソンウが一足先にホールアウトし、迎えた最終組の17番パー5。稲見が2オンに成功。楽々バーディーを奪って単独首位に立ち、18番パー4では2打目で見事にグリーンをとらえ、バーディーパットこそ外したもののパーで優勝。ギャラリーの拍手を笑顔で浴び、桑木、畑岡の同伴競技者とハグを交わした。

　優勝者インタビューで、稲見は思わず涙。「今年は結構苦しい時期の方が多かった。ここで優勝できてよかった」と喜びを口にした。「最後まで分からない状態ではあったので、どんどんバーディーを狙っていけるようにしたいと思っていた」とプレー中の心境を振り返った。

　今オフからスイング改造を4回行い、苦悩したことも告白。「予選落ちも多く、なかなか優勝争いもできなかった。チャンスが来てそこをものにできてよかった」と喜んだ。今大会は日本開催だが、全米女子プロゴルフ協会（LPGA）の公式戦でもあり、日米の両ツアーを兼ねている。優勝した稲見には米ツアーの出場権が与えられる。「（米ツアー出場権は）未来が拓けた感じ。じっくり考えて、チームのみんなで相談して決めたい。ずっと応援しに来てくださった皆さんのおかげ。最後まで応援してくれてありがとうございました」と感謝した。

　稲見は統合で行われた20-21年シーズンに9勝（20年1勝、21年8勝）を挙げ、初の賞金女王を獲得。21年東京五輪では銀メダルを獲得し、世界にその実力を示した。しかし腰痛に苦しむ時期もあり、22年8月28日のニトリレディスでツアー通算12勝目を挙げて以来、優勝から遠ざかっていた。