パリ五輪代表選考会・MGCが15日号砲

　陸上の2024年パリ五輪マラソン日本代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ（MGC）が15日、東京・国立競技場を発着とする都内のコース（男子は午前8時、女子は同8時10分号砲）で開催される。男女とも上位2人が代表権を獲得（3位は選考対象選手に）。13日は出場選手が都内で会見し、130回目のマラソンに挑む男子の川内優輝（AD損保）は「僕が代表なら日本マラソン界は暗黒期」と語りつつ、不敵な笑みを浮かべた。

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　らしさ満点のコメントを残し、レースに挑む。会見に出席した川内はレースで見てほしいポイントについて、ボードに「過去129回のフルマラソンの経験（130回目のフルマラソンの走り）」と記した。しかも、マジックで書いた「129」は太字。その真意を明かした。

「過去129回のフルマラソンの経験を生かしたいということで、130回目になりますので、今までペースメーカーのいるレース、いないレース、雨のレース、風のレース、ワールドマラソン、世界選手権、アジア選手権までいろいろ走ってきましたので、そういう過去の経験を生かしたレースをしたいなと思います。そういう走りを見てほしいと思います」

　2010年東京マラソンは雨の中、上位争いを演じた。今大会も雨予報。天気を確認した川内は「お、いいじゃん！」と歓迎した。「雨の東京、いいですよ。雨のレースはたくさんやっている」。今回はペースメーカーがおらず「誰かが乱してくれるんじゃないですか」とニヤリ。“嵐”を呼ぶ男が不敵な笑みを浮かべた。

　学習院大時代は関東学連選抜で箱根駅伝に2回出場。卒業後は埼玉県庁に入庁し、「公務員ランナー」として活躍した。11、13、17年の世界陸上代表、14年アジア大会銅メダル、18年ボストン優勝など実績を持つ。19年4月にプロ転向すると、同年に4度目の世界陸上に出場。21年びわ湖で2時間7分27秒をマークし、33歳にして8年ぶりに自己記録を更新した。今回はワイルドカードでMGC出場権を獲得。サブ10回数は日本人最多の16回を誇る。

　前回2019年の約2倍となる男子61人、女子24人がエントリー（13日時点）。鈴木健吾（富士通）、大迫傑（NIKE）の新旧日本記録保持者のほか、東京マラソンで日本人トップ7位の山下一貴（三菱重工）ら若手も名を連ねる。川内は「僕が代表になるくらいなら、日本のマラソン界は暗黒期に入る」と自虐しつつ、「もちろん全力を尽くします」と激走を誓った。