ブダペスト世界陸上

　ブダペスト世界陸上は19日（日本時間20日）、混合マイルリレー決勝で先頭を走っていたオランダのアンカー、フェムケ・ボルがゴール5メートル手前で転倒。バトンを落としてゴールし、失格となる悲劇が起きた。米国が3分8秒80の世界新記録で優勝。まさかの形で金メダルが転がり込み、地元の米実況席も白旗一転、驚きとともに「我々は早く結末を話し過ぎた！」「ボルに何が起きたんだ！」と絶叫した。

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　世界陸上初日の最終種目はラスト5メートルでドラマが起きた。アンカー勝負に突入した混合マイルリレー決勝。オランダの女子選手ボルが先頭で最後の直線に入った。米国のアレクシス・ホームズが猛追。なんとかボルが先頭で逃げ切るかと思われた。しかし、その瞬間にまさかの転倒。落としたバトンだけがそのままゴールラインを越えた。本人はすぐに立ち上がって3番手でゴール。倒れた地点はゴールわずか5メートル手前だった。

　ところが、オランダは失格。対照的に米国はメダルの色が銀から金に変わった。米放送局「NBC」のストリーミングサービス「ピーコック」の中継では残り200メートル地点で、解説者は「ボルがこのリードから逆転されたらショックを受けます」「彼女はとても快適そうです」と銀メダルを覚悟していたが、大逆転の結末に「Wow！」と驚きの声を上げた。

　実況が「米国が金メダルを獲得した！」と伝えると「世界新です！　私たちは早く結末を話し過ぎましたね」と一転して歓喜。実況は「ドラマ続きです！　女子1万メートルでも転倒がありました！　米国が世界新で金メダル。ボルに何が起きたんだ！」と直前に同様のゴール前で転倒が起きていたことも踏まえ、絶叫した。

　一方で解説は「彼女（ボル）はショックを受けています」と失意のボルを慮り、実況は「米国の選手たちも同じです！　彼らが逆境に立たされているのは分かっていましたからね」と自国の選手たちが複雑な胸中であることも伝えた。転がり込んだ形だったのもの、世界新記録での優勝は揺るがない。陸上大国・アメリカが混合マイルリレーのチャンピオンに輝いた。