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スポーツ選手が果物を摂るべき本当の理由とは 青森のJリーガーは高校生とりんごの重要性を学習

第1回セミナーの調理実習でサポーター親子たちと作ったりんご煮とカッテージチーズを挟んだベーグルは補食におすすめ。「めっちゃうまい!」と選手たち
第1回セミナーの調理実習でサポーター親子たちと作ったりんご煮とカッテージチーズを挟んだベーグルは補食におすすめ。「めっちゃうまい!」と選手たち

果物はどのタイミングでどのぐらい摂ればいい?

 さて、果物についてスポーツ選手から多い質問が、「果物はどのタイミングでどのぐらい摂ればいいのか」です。

 まずタイミングですが、答えは「いつでも、摂れるときに」です。先ほど触れましたが果物の主な栄養素は「糖質、ビタミン、ミネラル、食物繊維」です。果物の糖質は体内で吸収されやすいため、素早くエネルギーになります。食物繊維は腸内の善玉菌の割合を増やし、腸内環境を良好に整える作用があります。そして、ビタミン・ミネラルは不足しがちな微量栄養素。特に、生のまま食べられる果物は、加熱調理による栄養素の損失を抑えられるのもメリットです。もちろん、発汗の多いスポーツ選手にとっては水分補給も大事。以上のことから摂れるときに摂る、が鉄則です。

 また、試合の日にプレマッチミールとして、試合の3、4時間前に食べるのもおすすめです。

 ただし、試合後は疲労感で噛むのが面倒、食欲が低下して固形食が摂れないなどの場合、100%果汁のジュースのほうがよいでしょう。食物繊維も少なく、素早くエネルギーと水分を補充できます。

 次に「どのくらい食べるか」についてですが、スポーツをする方の果物の1日の適量は決められていません。健康の維持・増進という観点から、まずは厚生労働省が挙げる1日200gを目標にするとよいでしょう。果物200gの目安量は、りんごと柿1個、バナナは2本、キウイフルーツ2個、みかんならば3個、いちごで約12粒に相当します。

 ヴァンラーレ八戸の選手に行ったセミナーですが、1回目は公募により当選した15名の親子サポーター、2回目は地元・千葉学園高等学校調理科の生徒さんたちも参加。栄養について学んだ後、選手たちと一緒に調理実習を行い、青森のりんごを使ったスポーツ場面で役に立つ補食を作りました。

 選手といることがうれしくて、べったりくっついて回る子どもたちの姿は微笑ましく、また、これまでサッカーを観たことがないと言っていた学生たちが「今度は試合に応援にいきます」と、選手たちに声を掛けていた姿も印象的でした。

 全国各地にあるJリーグやその傘下のチームは社会連携・地域連携に力を入れていると感じますが、今回のように、地元スポーツチームの選手と地域の方が一緒に課題に取り組むことで、交流や絆が生まれ、地域社会の活性にもつながります。

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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