過敏性腸症候群に悩む 欧米アスリートが今、実践している「低フォドマップ食」とは
Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「低FODMAP(フォドマップ)食」について。
公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「低FODMAP(フォドマップ)食」
Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「低FODMAP(フォドマップ)食」について。
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テニスのノバク・ジョコビッチが実践したということで、日本のアスリートの間でも広がったグルテンフリー食。今では健康に気遣う方たちの間でも、広く認識されています。そして、欧米のアスリートの間で今、グルテンフリー以上に注目されているのが「低FODMAP(フォドマップ)食」です。
アスリートたちを悩ませる症状の一つに「過敏性腸症候群」があります。これは、お腹が張る、ガスが溜まる、腹痛をたびたび起こす、便秘や下痢をくり返すなど、慢性、あるいは再発性に消化器にさまざまな不調が現れる疾患です。
過敏性腸症候群を発症する原因は、はっきりとはわかっていません。しかし、最近の研究では何らかのストレスによって腸の収縮運動が激しくなると、痛みを感じやすくなり、症状が現れると考えられています。人口の10%程度の人が症状を抱え、特に女性に多く、加齢とともに減少するという報告がされています。
治療法は薬物療法以外に、適度な運動、ストレスマネージメントやリラクセーション法、そして食事療法を組み合わせて行われているようです。その一つが低FODMAP食による食事療法。FODMAPとは“腸内で発酵しやすい4種類の糖類(オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール(糖アルコール)”の頭文字をつなげて作られた名称。低FODMAP食とはそれらの成分を含む食べ物の量を減らす、または除く食事法です。