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フランスW杯4強へ、残り1年でやるべきこと 日本代表ジョセフHCが語る躍進のシナリオ

W杯への選手層を意識した52人の候補メンバー

 厳しい強化の状況のなかで、あと1年の強化について聞くと、指揮官は苦笑交じりにこう語っている。

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「難しい部分がありますが、今の状況のなかで強化していくしかないと思っている。コロナでの状況は、この先も分からないところもある。だが、6か国対抗のチームは比較的上手く活動できていると思うし、南半球勢は少し後を追っている部分があるだろう。そのなかで私たちは選手をしっかりとセレクトして、ベストな状況を作り、成長させていくことがワールドカップでの結果に繋がると思います。選手層を厚くするために、若い選手をしっかりと使って、今いる選手でできることをやっていくことがヘッドコーチの仕事だと考えています」

 こんな思いのなかで選ばれたのが、今月2日に発表された秋の代表戦へ向けた候補メンバー52人だ。従来の40人前後の合宿から見ると大所帯となったが、夏には調整などの理由で不参加だったFL(フランカー)姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)、WTB(ウイング)松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス)ら主力選手と位置づけられるメンバーの復帰と同時に、夏の代表戦で可能性を輝かせたSO(スタンドオフ)山沢拓也(埼玉)、李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)、出場機会は少なかったがWTB根塚洸雅(船橋)ら次世代の若手も積極的にピックアップされている。幅広い選手を集めて、目前の秋のテストマッチの勝利と、W杯へ向けた選手層の“厚み”という双方を見据えた合宿が始まっている。

 選手は、W杯のキックオフまで1年という時間をどう受け止めているのか。2019年W杯以降主将を離れているが、チームで絶大な信頼感を持つFLリーチ・マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)は、「前回大会もそうだが、あと1年となると本当に早い。この合宿も終わるのは早いし、代表が終わればリーグワン。リーグワンが終わったら、すぐにワールドカップ。だから今回の合宿も、本当に1個1個の練習、1個1個の試合、1個1個の課題を、しっかりとプレーしていくことが大事だと思う。課題は、個々の選手が試合中にプレーする回数をどれだけ増やせるか。タックルの回数、ボールタッチの回数、ラインアウトのジャンプの回数を増やしていきたい」と意欲的だ。コロナ禍の“恩恵”で、古傷の股関節の痛みなどから解放され、体作りを進めることができたことで、リーグワン、夏の代表戦と好調をキープした大黒柱は、自身4度目のW杯へ余念はない。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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