[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

井上尚弥のドラマを超えたドラマ 怪物にしか描けない「12R死闘→264秒殺」の筋書き

ドネアと対峙する井上(右)…試合前には大橋会長が指摘した「不安」があった【写真:荒川祐史】
ドネアと対峙する井上(右)…試合前には大橋会長が指摘した「不安」があった【写真:荒川祐史】

大橋会長は試合勘を指摘、父は軽度の故障を明かす

 2019年11月7日のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝以来、2年7か月ぶりの再戦。当時は井上が歴史的死闘の末に判定勝ちし、多くの海外メディアから「年間最高試合」に選ばれた。試合直後、井上が明かしたのは「楽しかった」「やっとボクシングをやっている感じがした」という充実感。第2章はどうだったのか。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

「また違った楽しさがある。ダウンを取った瞬間、夢じゃないかと思うほど上手く行き過ぎていました。自分をセーブするために慎重に進めていました。がむしゃらに行くこともなく、乱れることもなく、出すパンチ一つひとつ覚えているくらい冷静に進めていた。その面がよかったと思う。それほど攻め急がなかったけど、ここで終わらせないとこの先のステージに進めないと思っていた」

 完全決着の裏には、陣営の「不安」があった。大橋会長が指摘したのは「強敵への試合勘」。報道陣に明かした。

「私たち関係者の間ではヤバイという声があった。最近戦ってきた相手の質が違う。尚弥は強い相手を避けてきたのではなく、やる相手がいなかった。ここ最近の試合では一番不安があった」

 第1戦以降、井上は明らかな格下相手に3試合、ドネアは正規王者、暫定王者との緊迫した2試合だった。しかし、結果は井上の圧勝。大橋会長は「凄かった。ベストバウトだよね。過去にいろんな試合があったけど、それでもベストバウトだった。尚弥のことを凄い凄いと思っていたけど、ほんとに凄かった。凄い男ですね」と大興奮で繰り返した。

 一方、真吾トレーナーは「調子自体はバッチリでした。けど、心配なところがあった。言ってしまえば故障のところ。悪化したら嫌だなと思っていた。1か月ちょっと前からですね」と説明。具体的な部位などは伏せ「ちょっと痛みがある」と明かした。それでも、明確な診断名を受けるほどではなかったようで、「いやぁ、大したもんですね。凄いですよ」と息子の衝撃TKOに鼻高々だった。

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集