早大Vから約20分…最後にゴールした“激レアさん” 北極海で船上生活、練習厳禁の理由は「シロクマがいるから」――北海道大・秋野僚太
シロクマを回避するため屋内で強化
そこは野生のホッキョクグマが生息する地域。6月は海氷の融解が進む時期でもあり、陸上でも体重、数百キロにもなる猛獣に遭遇する危険がある。万が一、襲われれば命に関わる。屋外でのランニングなど“厳禁”だった。
シロクマに遭遇する可能性があるならば…さすがに仕方ない。割り切って、室内で筋力トレーニングに取り組み、高強度インターバルトレーニングなどで有酸素運動の刺激を入れた。外で走れない環境でも、できる限りの準備を進めてきた。
驚きは今年だけではない。1年前も北極海での観測航海に参加していた。「自分の研究室は、北極海の海氷を研究しているんです。なので、外部の機関の研究船に乗って、研究のサンプルをとりにいきました」。約1か月間の船上生活を送り、陸に戻ったのは、出雲駅伝のわずか1週間前だった。
船内にはトレッドミルがあったものの、出せるスピードは1キロ4分ペースまで。しかも、海が荒れれば船体は前後左右に大きく揺れる。「荒波の日なんかは前後にも左右にも揺れて、もう何とか振り落とされないようにしながら走ってました」と笑う。あまりに特殊な環境で過ごしてきた。
秋野は新潟高から北海道大の水産学部に進学。もともと気候や気象、地球温暖化などの環境問題に関心があったという。その後、大学院に進み、北極海の海氷を研究しているのも、地球温暖化を考える上で、北極が重要な研究対象だからだ。
2025年には日本学術振興会の特別研究員に採用されるなど、研究者としても着実に歩みを進めている。同年には「中央北極海におけるメルトポンドの栄養塩動態とメルトポンド直下海氷との関係」の論文を発表。研究結果が、海洋科学の専門誌「Journal of Geophysical Research: Oceans」に掲載された。
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