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「一瞬の無理がその先のバスケ人生を縮める」 元日本代表選手が高校生に届けたエール

生活に支障をきたすほどのケガ「一瞬の無理が、その先のバスケ人生の寿命を縮める」

「私自身、骨折してもプレーするなど、薬を飲んで無理をした結果、実は両膝を悪くして、移植手術をしています。今はバスケットをフルでプレーすることも、ハードな運動もできない体になり、生活にもちょっと支障が出るくらいになってしまいました。

 色々な意見はありますが、私は気持ちがあっても痛みがあっては、『100%のパフォーマンス』は難しいと思っています。

 高校3年生になり、最後の試合ともなれば、捻挫していても、痛くても、やっぱり試合に出たい、という気持ちにもなります。そして、最後だからそこにかける、という気持ちも大事だと思う。だけど、一瞬の無理が、その先のバスケット人生の寿命を縮めてしまいます。

 私は完全にケガを治すことが、よりパフォーマンス力を上げるし、120%の力を出しやすいと思っている。皆さん、ケガをしたまま100%パフォーマンス出せると自信のある人いますか?」

 そう中川さんが問いかけると、高校生たちは一斉に首を横に振った。

「焦る気持ちはわかるけれど、(ケガを治す)数か月という時間は、将来を考えるとそんなに長いものではありません。やりたくても、焦らず、我慢することも頑張ることです。これを、『忍耐力』といいます。

(境目を知るには)周りを気にすると無理をするので、自分自身の体と向き合うことが大事。体に向き合えば、『今はちょっと休んだほうがいいな』というサインが出ると思います。ときには無理も必要かもしれませんが、無理しすぎず、整えていってほしい。そうすることで後々の人生、きっといい方向に向かっていくと私は信じています」

 リアルな経験と、そこから掴んだ言葉を高校生に伝えた60分。質疑応答後、参加した東京都の女子選手は、「プロや日本代表の方は、元々の才能があったり、試合もたくさんしたりしている。でも、私たちと同じように緊張や失敗をしたと聞いて、勇気づけられました」と、中川さんとの熱のこもった対話を振り返り、感想を述べた。

 そして、授業の締めくくりは、中川さんから高校生たちへの応援の言葉。

「いろんな話をしたけれど、やっぱり一つ一つの積み重ねが大きな成功につながると私は思います。この先、いろんな目標ができたり、ときには目標が変わったりすることもあると思いますが、常に前向きに、そしてチャレンジ精神を忘れずに、トライしていく強さを持ってほしい。壁にぶつかることも多いですが、私自身も、まだまだいろんなことにトライしています」

「ピンチこそチャンス。そしてそこには多くの学びがある」と中川さん。背中を押す力強い言葉と笑顔で、明日へのエールを送った。

■オンラインエール授業 「インハイ.tv」と全国高体連がインターハイ全30競技の部活生に向けた「明日へのエールプロジェクト」の一環。アスリート、指導者らが高校生の「いまとこれから」をオンラインで話し合う。授業は「インハイ.tv」で配信され、誰でも視聴できる。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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