「世界水泳カウントダウン連載」競泳開幕まであと7日―男子200＆400ｍ個人メドレー、レオン・マルシャン

　水泳界の“世界一決定戦”世界水泳福岡（テレビ朝日系で中継）が7月14日に開幕した。2001年以来22年ぶりの日本開催となり、中でも注目を集めるのは競泳だ。個人種目で金メダルなら1年後のパリ五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」では7月23日の競泳開幕30日前から「テレビ朝日×THE ANSWER」としてタッグを組み、様々な企画を実施してきた。

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　その一つがカウントダウンでお送りする「ウルトラ連載」。出場選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。7月16日の第27回は、男子200＆400メートル個人メドレーなどに出場予定のレオン・マルシャン（フランス）が登場。前回大会では“怪物”マイケル・フェルプスが持つ最古の世界記録に肉薄。急速な進化を遂げた裏にあった伝説のコーチとの出会いも含め、日本のアニメをこよなく愛する21歳“新怪物”の素顔に迫った。

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　東京五輪は悔しさを味わう大会だった。2021年夏、まだ19歳だったマルシャンは400メートル個人メドレー予選でフランス新記録をマークして決勝に進んだが、メダル争いに加わる泳ぎができずに6位入賞止まり。200メートル個人メドレー、200メートルバタフライ、400メートルメドレーリレーにも出場したが、いずれも決勝進出はできず。世界の壁を感じさせる結果だった。

　2年前の悔しさを晴らすべく、マルシャンは大胆な自己改革に出た。両親の勧めもあり、東京五輪後に「環境を変えたい」とフランスから渡米。アリゾナ州立大に留学し、現在師事するボブ・ボウマンコーチの連絡先をホームページから探し出してメールを送った。ボウマンコーチは、2008年北京五輪で8個の金メダルを獲得したフェルプスの指導者。メールを受け取ったコーチも「是非来てもらいたい」と快諾し、師弟関係がスタートした。

　ボウマンコーチはマルシャンを徹底的に鍛え上げた。「彼に足りないと感じた部分に取り組んだ。持久力をつける練習をした。彼はそれをとてもよくこなした」。マルシャンはフェルプス8冠の原動力ともいわれた潜水キックを習得。それを武器に昨年世界水泳の400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した。タイムは4分04秒28。フェルプスが持つ世界最古の世界新まであと0秒44差の世界歴代2位の記録だった。

　得意の平泳ぎに加えバタフライにも磨きをかけ、弱点の背泳ぎを強化。さらにボウマンコーチは2人が得意とする潜水の“質”の違いに気づいた。「マイケルはパワーがあってキックもパワフルだった。レオンはマイケルよりも流体力学的に優れた体をしている。それが違いだ。レオンのほうが効率がいいんだ」。それだけに伸びしろを感じている。

「彼は本当に楽しみな選手だ。どこまで成長するのかわからない。最高峰のレースに出場して成長したし、練習のやり方も良くなった。彼は素晴らしい可能性を秘めた選手だ」