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ロシアで厳命された100g単位の体重管理 フィギュアと新体操に共通する女子選手の課題【鈴木明子×皆川夏穂】

「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。6日目は「女性アスリートと体重管理」。元フィギュアスケート選手の鈴木明子さんと元新体操選手の皆川夏穂さんが登場する。

元フィギュアスケート選手の鈴木明子さんと元新体操選手の皆川夏穂さんが2つの競技に共通する問題について考えを交わした【写真:松橋晶子、片岡祥】
元フィギュアスケート選手の鈴木明子さんと元新体操選手の皆川夏穂さんが2つの競技に共通する問題について考えを交わした【写真:松橋晶子、片岡祥】

「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」6日目 テーマは「女性アスリートと体重管理」前編

「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。6日目は「女性アスリートと体重管理」。元フィギュアスケート選手の鈴木明子さんと元新体操選手の皆川夏穂さんが登場する。

 女性アスリートにとって、無月経や疲労骨折などの健康障害を引き起こすリスクがある体重管理。ともに体重が競技力に関わるとされる審美系競技の出身で、現役時代は摂食障害を患ったこともある鈴木さんとロシア留学で厳格な指導を体験した皆川さんが対談した。前編では、皆川さんがロシアの指導者に求められた100グラム単位の体重管理を明かし、2つの競技に共通する問題について考えを交わした。(構成=長島 恭子)

 ◇ ◇ ◇

鈴木「フィギュアスケートは体重が増えると、ジャンプの着地のときに脚かかる負担が必然的に大きくなり、ケガに繋がりやすくなります。また、体にボリュームが出ることで、回転軸が細くなりにくくなり、回転も難しくなります。新体操は体重が増えることで、パフォーマンスにどんな影響が出ますか?」

皆川「新体操という競技そのものは、体重が数百グラム増えたところで、それほど影響はありません。ただ、採点競技という点で、やっぱりスタイルがよくて、細くて、キレイな選手のほうが審判受けがいい。私自身、『技をしたときの美しさもキレイに見えるから細くいなさい』とはずっといわれてきました。

 私は元々が太りやすいんですね。体形も子供の頃からパーンと張っていて、小学生の頃はオーディションも落選してばかりいました。中学以降は動く量も増えたので太ることはなかったのですが、『細くあるべき』という固定観念がずーっとあって……」

鈴木「小学生のときから、もう体形を気にされていたんですね。皆川さんは高校からロシアに新体操留学をされていたと聞きました。選手の体重管理という点で、日本とロシアの間に隔たりはありましたか?」

皆川「すごくありました。ロシアは体重管理がとても厳しく、大変でした。先生からは『100グラム単位で管理しなさい』と言われましたし、先生の前で毎日、朝夜の2回、体重を測っていました。就寝前と起床後の体重が変わっても注意され、100グラムでも重くなると『まずは走って体重を落としなさい』と、練習にも入らせてもらえない環境でした」

鈴木「先生の前で体重計に乗ると聞いて、びっくりしませんでしたか?」

皆川「はい。びっくりしましたし、すごくストレスを感じました」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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