大会3か月前、初めて使ったピル あの五輪銀メダルの裏で26歳の三宅宏実が試みた月経対策
「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。最終日となる8日目は「女性アスリートと月経」。夏季五輪で日本女子最多に並ぶ五輪5大会連続出場した重量挙げ・三宅宏実さんが登場する。
「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」8日目 テーマは「女性アスリートと月経」前編
「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。最終日となる8日目は「女性アスリートと月経」。夏季五輪で日本女子最多に並ぶ五輪5大会連続出場した重量挙げ・三宅宏実さんが登場する。
減量競技である重量挙げで送った21年間の現役生活。12年ロンドン五輪銀メダル、16年リオデジャネイロ五輪銅メダルという輝かしいキャリアの裏では、繊細なコンディショニングを求められた。月経もその一つ。前編では、18歳から五輪に5度出場した競技生活を振り返りながら、重量挙げで日本人史上初のメダル獲得となったロンドン五輪で、3か月前から試みていた月経コントロールの方法について明かした。(取材・文=長島 恭子)
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04年アテネ大会、18歳で初の五輪出場。21年東京五輪まで5大会連続出場を果たした、元女子重量挙げ選手・三宅宏実さん。21年間の競技生活で、5度の五輪出場という希代のリフターだ。
「引退試合となった東京五輪では、試技を終えた瞬間、あ、これでやっと終わったんだ、という想いでした。この日のために、ずーっと張りつめていた気持ち、長かった競技生活からようやく解放されるときが来たんだなって。
でも、最後はかっこよく終わりたかったので『情けなっ!(情けない)』という気持ちもありました。ほっとした気持ち、カッコ悪いな、悔しいな、という気持ち。いろんな感情が渦巻いていましたね」。
父親の三宅義行さんは、1968年メキシコシティ五輪重量挙げで銅メダルを獲得。三宅さんは競技を始めてからずっと、コーチを務める父親から指導を仰ぎ、家族として、師弟として、二人三脚で歩んできた。
「父からは練習が終わった瞬間から明日の準備に切り替えなさい、と言われ続けました。私が現役時代、こだわったのは日々、100%の練習ができるかどうか、です。ですから、1日の練習が終わった瞬間から、翌朝の練習に向けて、疲労回復に取り組んでいました。
食事と睡眠をきちんと摂らないと、ハードな練習はできません。また、何を食べたかで翌日の内臓疲労やパフォーマンスに影響を及ぼします。なので、トレーニングと同じぐらい、日々のリカバリーを大切にしていました」