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イングランド戦の合言葉は「殴られる前に殴る」 ラグビー日本に“奇跡”を呼ぶスクラム勝負の重要性

守りのスクラムではなく「喧嘩しにいってほしい」

 辛辣な英国メディアを筆頭に、海外でも「低迷」と書かれるイングランド代表だが、長谷川ACは会見で「最近はイングランドらしさがない」と聞かれると、迷わず言い切った。

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「僕の中では印象は変わっていないですね。イングランドはたぶん100年同じラグビーをしているので。強いFW、そこからモールを組んで、フィジカルにくる。イングランドは別に弱くもなっていないし、リスペクトを持って試合をしたいと思っています」

 アルゼンチンを倒した前週の試合でも、スクラムを左右にコントロールして優位に立った。相手のスクラムを右サイドから押し込むことで、右展開で相手防御が1歩出遅れてしまう。こんなコントロールを阻止することが、日本のスクラムの使命になる。苦闘を強いられていても、相手は最古の代表チーム。しかも、骨太で筋肉質のアングロサクソン系の大男が、小細工なしにシンプルに重圧をかけてくる伝統のスタイルを取り戻しつつある。

 具も語ったように、昨秋の敗戦では積極的なスクラムは組めなかった。日本が目指すのは、強気のスクラムで自分たちの組み方を貫くこと。

「ディフェンシブなスクラムではなく、しっかり喧嘩しにいってほしい」

 長谷川ACの求めるものは、8人のむくつけき男たちも同じ。警戒と尊敬の念を込めて、“母国”のスクラムを押し込んでみせる。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)


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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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