【名珍場面2019】井上尚弥、敗戦ドネア家に届けた“粋な計らい”に海外絶賛「こんな事が可能なのか」
12月を迎え、様々な競技で盛り上がりを見せたスポーツ界を連日、振り返る「名珍場面2019」。今回は11月のボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム決勝で優勝したWBAスーパー&IBF王者・井上尚弥(大橋)が試合後に見せた粋な計らいだ。敗れたノニト・ドネア(フィリピン)の頼みを受け、子供たちのために優勝トロフィーを一晩貸した。その様子をドネアがツイッターに動画付きで公開し、海外ファン、ボクサーに大きな反響を呼んだ。
「スポーツ界の名珍場面総集編」―WBSS決勝翌日にトロフィーがあった場所は…
12月を迎え、様々な競技で盛り上がりを見せたスポーツ界を連日、振り返る「名珍場面2019」。今回は11月のボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム決勝で優勝したWBAスーパー&IBF王者・井上尚弥(大橋)が試合後に見せた粋な計らいだ。敗れたノニト・ドネア(フィリピン)の頼みを受け、子供たちのために優勝トロフィーを一晩貸した。その様子をドネアがツイッターに動画付きで公開し、海外ファン、ボクサーに大きな反響を呼んだ。
井上は強いだけじゃなく、優しかった。ドネアが敗戦から一夜明け、1本の動画を公開した。グレーのパーカーにフードを被り、サングラスをかけて表情を隠したドネア。椅子に座り、目の前に2人にはお揃いのTシャツを着た2人の子供がいる。ただ、なぜか目の前には「NAOYA INOUE」と記されて輝くWBSS優勝トロフィーが置かれている。そして、1人がこうメッセージを発した。
「サンキュー、Mr.イノウエ、コングラチュレーション!」。たどたどしい言葉だったが、なんとも可愛らしい振る舞い。ドネアは別のツイートで「日本へモハメド・アリ杯を取りにやってきた。僕は息子たちに朝、それを見られるよと約束した。目に涙を浮かべ、イノウエに一晩だけ貸してくれとお願いした。自分のためにではなく自分の約束のために」と明かした。
約束だった息子たちに対する優勝のプレゼント。それが叶わなくとも、父としてせめてできることをしたいと井上に懇願し、借りたという。異例の頼みだったが、井上もこれを快諾。敗者の子供を喜ばせる粋な計らいを見せた。試合後には互いに抱擁を交わし、リスペクトを示し合っていたが、その姿勢は会場を離れても変わらなかった。
投稿には「試合前、試合中、試合後全てが美しかった」「ノニト、あんた男だぜ。真の王者を意味している」「あなたは品格さのお手本だ。素晴らしい試合。伝説的だ」「私にも同い年くらいの息子が2人いるから、気持ちは痛いほどわかるよ」「輝ける他のファイターたちのお手本だね。リング外でもリング内でもね」などと海外ファンから感動の声が続々と広がっていた。
また、海外ボクサーにも反応は拡大。元WBC世界クルーザー級王者のトニー・ベリュー(英国)はツイッターでWBSS公式ツイッターが伝えたドネア家のチャンピオンへの感謝を紹介した上で「アメージングだ! 2人の戦士は男の約束の意味を理解している」と絶賛した。
リオデジャネイロ五輪に出場した中量級の実力者アンソニー・ファウラー(英国)も「年間最高試合候補の後に、私が目にした最高の事象だ。ナオヤ・イノウエをさらに尊敬する。こんなことが可能なのだろうか。なんて男だ。日本は誇りにすべきだ」と称賛した。歴史的な死闘の後で演じていた井上の振る舞いは、多くの人の胸に刻まれる出来事になった。
(THE ANSWER編集部)