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世界的名将が教えるW杯の“見方” 忖度なしの日本の可能性「本物の期待感がある」

ディーンズ氏が警戒する日本代表のプレーとは【写真:吉田宏】
ディーンズ氏が警戒する日本代表のプレーとは【写真:吉田宏】

対戦相手が日本と「いかに戦うか」という状況を作りだせば勝機も

――ロビーさんが対戦相手の監督なら、日本代表のどの部分を警戒しますか。

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「日本は前に出させるとやりづらい相手です。アンストラクチャーからのプレーも得意にしている。そういう状況をできる限り与えないことが重要でしょうね。速いペースでプレーを仕掛けてくる、そこをいかに止めるかが大事になってくるし、こちらのミスにつけこんだプレーも得意だ。雑なプレーをせずに、セットプレーをしっかりマネジメントしないといけない」

――プールAで戦う相手にとっても日本は要警戒なチームになる。

「日本代表にとって究極のインセンティブ(報奨)は、全国民の前でプレーできることです。それが彼らを、さらに高いレベルでプレーさせることになるはずです。日本代表が勝利への扉を開けて、そこに足を踏み込めれば、大観衆が味方についてくれる。そういう状況になれば、日本がアイルランド、スコットランドを相手にいかに戦うかではなくて、相手が日本に対していかに戦うかという状況にひっくり返るはずです。まずは日本がしっかりとゲームの序盤に入っていって、相手にいつもと違うラグビーを強いることができれば、そこから何が起きてもおかしくないのです」

――日本代表はそういう状況にできますか。

「もちろんできます。簡単ではなくても、それをやれるだけの力を十分以上に持っているし、ベスト8に入れる本物の期待感を持っています。大切なのは自分たちが『できないかも知れない』と考えずに『これをやればできるかも知れない』ということにフォーカスを当てることです」

――開幕目前です。こういうときにコーチは何をする必要があるのですか。

「もうこの時期になれば、コーチとしての仕事は終わっています。終わっていなければいけません。ここから体を大きくすることはできない。もうその仕事は終わってます。ここからコーチがやらないといけないのは、選手の心の部分をしっかりマネジメントしてあげること、そしてやるべきことを明確にすることです。そして選手に主導権を渡してあげる時期です」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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