井上尚弥は最強の“矛”、ロマチェンコは堅牢な“盾”― データが裏付ける魅力とは
ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝でWBA王者・井上尚弥(大橋)はIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を259秒TKOで下した。海外メディアではパウンド・フォー・パウンド(PFP)での井上最強説も浮上する中、米ボクシングデータ専門メディア「CompuBox」では統計における現時点の世界トップ3を発表。井上はWBOウェルター級世界王者テレンス・クロフォード(米国)を凌ぎ、2位に選出されている。
米メディアがロマチェンコ、クロフォードと並べてデータを比較
ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝でWBA王者・井上尚弥(大橋)はIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を259秒TKOで下した。海外メディアではパウンド・フォー・パウンド(PFP)での井上最強説も浮上する中、米ボクシングデータ専門メディア「CompuBox」では統計における現時点の世界トップ3を発表。井上はWBOウェルター級世界王者テレンス・クロフォード(米国)を凌ぎ、2位に選出されている。
数字は嘘を付かない――。リング誌のPFPではキャリア最高の4位にジャンプアップした井上。米テレビ局「ESPN」「FOX」「Showtime」というメガケーブルから、WBSSにもデータを供出している同メディアは、米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン.com」で特集を展開している。
「CompuBoxではWBA、WBOライト級王者のワシル・ロマチェンコ、WBOウェルター級王者テレンス・クロフォード、WBA、IBFバンタム級王者ナオヤ・イノウエのビッグ3を精査する」
精密機械の異名で知られるロマチェンコ、スーパーライト級時代に史上3人目の4団体統一王者となったクロフォード、そして、日本が誇る“モンスター”を「ビッグ3」と定義。10項目のデータで3人の世界王者を比較している。
攻撃面では井上のデータが際立っている。まず1ラウンド平均のパンチの着弾数は井上が25発で断然トップ。ロマチェンコが21.9発で2位、クロフォードが16.7発で3位。平均16.8発を遥かに上回っている。
放ったパンチの数も井上が1ラウンド平均69.8発でトップ。同データ平均は55.7発となる中、ロマチェンコが62.3発で2位、クロフォードは47.5発となっている。
着弾率は井上が35.8%、ロマチェンコとクロフォードが35.2%で並んでいる。
一方、ジャブの着弾回数は1ラウンド平均で井上が9.4発、ロマチェンコが7.6発、クロフォードは6発で井上がトップ。同社平均は4.7発で、井上は平均の2倍ものジャブを着弾させていることになる。
強打の着弾数も井上がトップ。1ラウンド平均15.6発で、ロマチェンコは14.3発、クロフォードは10.6発。同データ平均は12.1発だった。