二刀流ならではの異例の出来事とは

　米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手は例年得意とする6月を終え、打率.265、7本塁打、17打点、OPS.931という打撃成績を残した。投手としても復帰。1、2イニング限定ながら3試合に登板し、4回3安打1奪三振1失点、防御率2.25と二刀流の完全復活へ好スタートを切った。6月はプレー以外でも大谷ならでは異例の事象が発生。中継ではお茶目な一面も映し出された。

　6月16日（日本時間17日）のパドレス戦。大谷は本拠地の大歓声の中、663日ぶりに公式戦のマウンドに上がった。お馴染みの登場曲が流れた後、初球から157キロをマーク。2番アラエスの4球目ではこの日最速の161キロを記録した。1回2安打1失点。直後には打者として打席に向かい、球場にはまたも大谷の登場曲が流れた。1イニングで2度も同じ曲が流れるのは二刀流ならでは異例の出来事だった。

　25日（同26日）の敵地ロッキーズ戦は試合前から珍事が発生した。日本時間午前9時40分の予定時間になっても、試合が始まらない。ロッキーズ先発のドーランダーがブルペンから遅れて登場したようだ。大谷は満面の笑み。「走れ」といわんばかりに笑顔でジョギングの仕草をする姿が中継に映された。

　一方、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は腕時計を指差しながら声を張り上げ、相手を急かしていた。米カリフォルニア州地元放送局「スポーツネット・ロサンゼルス」の実況スティーブン・ネルソン氏は「時計好きのロバーツは『ヘイ、私の時計は壊れてないぞ』と言っているようでした」と冗談交じりに伝えた。結局、4分遅れの午前9時44分に初球が投じられた。

　この日、大谷は2打数1安打、2四球2得点で8-1の勝利に貢献。6回に左前打で出塁した直後には、観客が試合そっちのけで逃げ惑うまさかの珍光景が広がった。原因は突如強くなった雨。大谷が一塁上にいる中、内野席の観客たちが蜘蛛の子を散らすように、屋根のあるスタンド下へ移動しているシーンが中継に映し出された。

　激しい雨の中、2死一、二塁から4番マンシーが放った平凡なフライをロッキーズ内野陣が落球。雨でボールを見失ったようで2人が生還し、ドジャースはラッキーな形で貴重な先制点を上げた。直後に試合は雨天中断。SNS上の日本人ファンは「テレビでもはっきりわかる大粒の雨」「マンシー運ええなぁ　逃げ惑う観客としれっとホームに帰ってる大谷」と驚きの声を上げていた。