水原氏解雇当日に米紙が見た大谷翔平

　米大リーグのドジャースは20日、大谷翔平投手の通訳を2018年の渡米時から務めてきた水原一平氏を解雇した。巨額の違法賭博に関与したと複数の米メディアが報じ、球団も21日になって解雇の事実を認めた。水原氏は20日に韓国・ソウルで行われたパドレスとの開幕戦後、ロッカールームで選手らに対して事実を明らかにしたという。報道直後、チームだけでなくメディアも混乱した様子を報じた米紙「ワシントン・ポスト」は、大谷の動きを観察。「いつも通りだった」プレーと同時に、メディアとのやり取りについても報じている。

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　米紙「ロサンゼルス・タイムス」の第一報に衝撃が走ったドジャースとそれを追う米メディア。前日まではOKだった選手バスの到着時の撮影も一転、不許可になり、クラブハウスから選手が“消えた”時間もあったという。「ワシントン・ポスト」紙が伝えたチーム周辺が混乱した“いつもと違う光景”。しかし、大谷の動きに変わったところはなかったという。

　チェルシー・ジェーンズ記者による署名記事では「水曜日とは違い、オオタニは打撃練習前にチームメートともにストレッチするためにグラウンドに出てくることはなかった。彼は試合前のウォーミングアップに姿を現さなかった。しかしそれは異例なことではない。オオタニが試合前に打撃練習をするのは珍しく、ケージ内でマシンを相手に打つことを好む」と記し「通常のように選手紹介で大歓声の中で出てきたオオタニは緊張した笑顔を浮かべていた。彼は初球を右前に弾き返した。いつも通りだった」と記されている。

　ファンが大谷に接する姿も、また変わらず。「オオタニのユニホームを着たファンたちはスタジアムの前で写真を撮影していた。『Gotani』や『Ohtani Hit It Here（大谷、ここへ打って）』と書かれたボードが客席にあった。観客からは大歓声が上がっていた」と通常通りだったと強調している。

　ただ、試合後は再び緊迫した雰囲気に。「彼（大谷）が、米国へ戻るドジャースの関係者皆が着るスウェットシャツを出して、バッグに荷物を入れる間、24人かそれ以上の米国、日本、韓国の報道陣が彼のロッカーを取り囲んだ。2人の球団広報スタッフがオオタニに背を向ける形で立ち、近づいてきた報道陣にオオタニは話さないと説明していた」という。

　そんな中で「オオタニが自分で決めるのが最善かもしれないと考えた報道陣は、ロッカーを後にするオオタニに、話す時間はあるかと聞いた」とメディアとのやり取りがあったことを公開。「ドジャースのスタッフは道を開けるように指示し、オオタニは『お疲れ様でした』と言って部屋を出て行った」と報じている。