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カタールW杯の知られざる食事情 国内の子供20%が肥満、会場は「観る側の健康」に配慮

Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「カタールW杯の食事情」について。

今回のテーマはカタールW杯の「スタジアムフード」と食への取り組みについて【写真:ロイター】
今回のテーマはカタールW杯の「スタジアムフード」と食への取り組みについて【写真:ロイター】

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「カタールW杯の食事情」

 Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「カタールW杯の食事情」について。

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 今週末、サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は、いよいよ決勝トーナメントに進出する16チームが出そろいます。今回はカタールW杯の「スタジアムフード」と食への取り組みについてご紹介しましょう。

 2021年、開催国であるカタールの公衆衛生省、WHOそしてFIFAは「スポーツと健康」のレガシー作りに取り組むパートナーシップを結びました。

 これは、今大会に関わるすべての人の安全と健康をサポートし、かつ健康的なライフスタイルを国内外に啓蒙するプラットフォームとして、今大会を活用するという取り組み。「ヘルシーFIFAワールドカップカタール2022プロジェクト」として「健康増進」「安全保障」「(健康への)意識啓発」の実現を3本柱に掲げ、スタートしました。

 スタジアムフードの開発は「健康増進」に関わるプロジェクトの一つです。このプロジェクトでは、全世界に向けて、身体活動の増加や、禁煙、健康的な食生活の大切さをメッセージとして発信。そして、健康的な食品にアクセスしやすい環境づくりの推進を優先事項に挙げています。

 具体的には大会中、健康的な食生活に関する情報を発信するほか、スタジアムやその周辺地域を中心に、安全で健康的、かつ持続可能な包括的な食品の提供を実施。

 例えば、カタールは現在、子どもの約20%が肥満もしくは過体重といわれています。そのため、一般家庭に向けては、カタールの人々が食習慣を変えるきっかけになるよう、サッカー少女を主人公に「強くなるためには何を食べるといいのか」を短い動画にまとめ、WHOのホームページやSNSで発信。子どもたちの食育につなげています。

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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