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ツアー17勝目の上田桃子が「赤」を着た理由「この3日間もテレビを見ていました」

国内女子ゴルフツアーの富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日が10日、埼玉・石坂GCで行われ、2打差3位から出た上田桃子(ZOZO)が1イーグル、3バーディー、2ボギーの69で回り、通算9アンダーで逆転優勝を飾った。一時は大里桃子、岸部桃子という“桃子トリオ”が最上位に並ぶ「桃子対決」を制し、昨年のパナソニックオープンレディース以来、ツアー通算17勝目(海外1勝含む)。昨年6月の結婚後、ミセス初Vにもなった。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

富士フイルム・スタジオアリス女子オープンで優勝し、トロフィーを掲げる上田桃子【写真:Getty Images】
富士フイルム・スタジオアリス女子オープンで優勝し、トロフィーを掲げる上田桃子【写真:Getty Images】

富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日

 国内女子ゴルフツアーの富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日が10日、埼玉・石坂GCで行われ、2打差3位から出た上田桃子(ZOZO)が1イーグル、3バーディー、2ボギーの69で回り、通算9アンダーで逆転優勝を飾った。一時は大里桃子、岸部桃子という“桃子トリオ”が最上位に並ぶ「桃子対決」を制し、昨年のパナソニックオープンレディース以来、ツアー通算17勝目(海外1勝含む)。昨年6月の結婚後、ミセス初Vにもなった。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)


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 優勝が決まった直後、上田は苦笑しながら、キャディーとハイタッチをした。理由は最終18番パー4でボギーを打ったからだ。

「難しいホールですけど、簡単にパーを取っているように見せることが大事。ちょっと恥ずかしかったです。まだまだだなと思います」

 結果は2位に3打差をつけての逆転優勝だが、ボギーパットも2メートルを残していた。カッコよく決めたい場。パットを決めても、自分に腹を立てていた。

 ゴルファーとしてのカッコ良さ。それを感じさせてくれる人物がいる。タイガー・ウッズだ。約1年2か月前の自動車事故から復帰し、マスターズに出場。上田は大会中の3日間も早起きして、テレビ中継を見ていた。

「やっぱり、タイガーを見ていると周りの人がワクワクするので、そういう思いでこの3日間もテレビを見ていました。それで、赤を着ようと思いました」

 言葉通り、タイガーの勝負服と同じ赤のウェアでプレーした上田は、1番パー5でイーグルを奪い、2番パー3のバーディーで単独首位に立った。その後は我慢の展開が続いたが、前夜から「絶対に勝つ。そういう気持ちでやり通す」と決めた通りにプレーした。

「海外の試合や(国内)メジャーも意識しながら、自分が強い気持ちでプレーし続けたらどうなるかを考えて、プレーしていました。いつも、優勝を狙える位置になると『普段通り』と考えるようにしますが、それでダメになることも多いので、今回はそうしました」

 昨年6月の結婚発表後、「ミセス初V」にもなったが、上田は独身時と変わらず、ゴルフに専念させてくれる夫に感謝し、「こうして結果で返せて良かったです」とも言った。

 約1年ぶりのツアー17勝目。35歳にして存在感を増す上田は、6月の全米女子オープン出場も明言し、決意を口にした。

「大きな舞台なほど、たくさんのことを求められます。それを出し切れるかで、普段の試合でもそうした場をイメージしながら戦っています。それを思うと、この難しいコースで頑張って3日間とも60台を出せたことは良かったと思います」

 ツアーを席巻する若手たちにとっても上田は、文字通り憧れの存在。そのストイックな姿は間違いなくカッコいい。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)





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