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食べ過ぎな子どもの肥満が心配 正しい体重管理、真っ先に「食べる量を減らす」はNG

栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第39回は「食べ過ぎが気になる子ども」について。

第39回は「食べ過ぎが気になる子ども」について
第39回は「食べ過ぎが気になる子ども」について

連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第39回

 栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第39回は「食べ過ぎが気になる子ども」について。

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 部活動やスポーツクラブなどで、毎日のように体をよく動かしていても、適正体重を上回るほど、太ってしまうお子さんはいます。親御さんのなかには、肥満や、それに関連する健康問題を心配し、「そんなに食べたら太るよ」と、ついつい、口うるさく言ってしまう方もいらっしゃるでしょう。

 体重が増えてしまうのは、「飲んだり食べたりで体に入るエネルギー量(摂取エネルギー)」が「体や頭を動かして消費するエネルギー(消費エネルギー)」を上回ることが原因です。つまり、エネルギーの収支バランスを整えれば、自然と適正体重に戻ります。

 大人の場合、体重を落としたければ、まずは食事量を調整し、食べ過ぎを抑える方法を試すのもよいでしょう。しかし、子どもの場合、「とりあえず食べる量を少なくして、体重を落とす」という方法だけは避けてほしいと思います。

 というのも、成長期にある子どもたちの体は、とにかくエネルギーと栄養をたくさん必要としているからです。また、「食べることが好き」な子どもは、言い換えると「しっかりと食べられる力がある」ということ。それは、体を大きくしたり、成長する力を最大限、引き出したりするうえでは、とても大事な力なのです。

「食べ過ぎよ」「もう少し、食べる量を減らしなさい」と言い続けると、子どもは「食べたくても食べてはいけないんだ」と考えるようになり、体の成長や心への影響が心配されます。ですから、子どもたちの体重管理をする際は、「しっかり食べられる」という良さをなるべく削らず、適正体重に戻す形が理想的なのです。

 子どもの体重管理を行う際、最初に見直したいのは、運動量をしっかり確保しているかどうかです。当連載は運動部のお子さん向けなので、この点についてはクリアされていると思います。

 次に見直すのは、食事の「内容」です。ポイントは、ボリュームはなるべく変えず、必要な栄養素をいかに摂るかを考えることです。

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吉谷 佳代

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

江崎グリコ株式会社で健康食品開発や、スポーツサプリメントの研究開発に従事。その傍ら、多くのアスリート、学生スポーツ、ジュニアへの栄養指導、食育イベントに携わる。2013年に独立。以降、ジュニアからトップアスリートまで幅広い競技の選手に対し、栄養サポートを行う。現在、プロ野球・阪神タイガース、実業団女子バレーボール・JTマーヴェラスのチーム専属栄養士。過去には、シスメックス女子陸上競技部(2015~2020年)、Bリーグ・西宮ストークス(2014~2017年)、自転車ナショナルチーム(2013~2018年)をはじめ多くのプロ選手やジュニア選手の栄養サポート実績を持つ。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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