冬山は重ね着するほど動きにくい… ミレー新「TYPHON WARM」が“立体裁断”で変えた腕と脚
秋冬の登山では防水性や保温性が必要な一方、重ね着するほど身体を動かしにくくなります。ミレー新「TYPHON WARM」は独自の立体裁断「MONT 3D」を採用。腕上げや足上げをどうスムーズにしたのか、防水・透湿性能とともに紹介します。

秋冬の登山は重ね着が増え、腕や脚を動かしにくくなりがちです。ミレー新「TYPHON WARM」は、独自の立体裁断で防水・保温性を保ちながら動きやすさを追求しました。
- ・独自の「MONT 3D」をジャケットとパンツに採用
- ・腕上げや足上げなど登山特有の動作を意識
- ・耐水圧3万mm、透湿性4万に裏起毛を組み合わせる
秋から冬の登山では、気温が下がるほど着るものが増えていきます。
ベースレイヤーの上に保温着を重ね、さらに雨や雪、風から身体を守るアウターを着る。
暖かくはなりますが、そこで別の問題が出てきます。
「重ね着すると、腕や脚を思い切り動かしにくい」
ストックを前へ出す。
岩場で手を伸ばす。
段差を越えるため、大きく脚を上げる。
登山では、普段歩くとき以上に身体を大きく動かします。
そこでミレーが2026年10月に刷新した秋冬向け防水透湿ウェア「TYPHON WARM(ティフォン ウォーム)」で重点的に見直したのが、ウェアの「形」でした。
新たに採用したのは、人間工学に基づいて開発した独自の立体裁断パターン「MONT 3D™」。
防水性や保温性を維持しながら、重ね着が増える季節でも身体の動きを妨げにくくすることを狙っています。
冬山は暖かくするほど動きにくい…防寒と可動性をどう両立する?
寒い季節に身体を守ろうとすれば、ウェアはどうしても増えます。
しかし、生地が何層も重なると肩や肘、膝の周辺には抵抗が生まれます。
特に登山では、単純にまっすぐ歩くだけではありません。
ストックを遠くへ突くために腕を前方へ伸ばす。
岩をつかむため肩から腕を上げる。
急な登りでは膝を深く曲げ、大きく足を持ち上げる。
こうした動作を繰り返すため、ウェアが突っ張ると小さなストレスが積み重なります。
新しいTYPHON WARMでミレーが出した答えは、ストレッチ素材だけに頼ることではありませんでした。
身体が山でどう動くのかを研究し、最初からその動きに沿う形にウェアを裁断する。
そのために導入されたのがMONT 3Dです。
秋冬はレイヤリングによる動きにくさが増えます。MONT 3Dは、生地のストレッチ性に加えて、登山時の身体の動きを想定した立体的なパターンで可動性を高める考え方です。

腕を前へ出す動きに着目 ストックや岩場で突っ張りにくく
ジャケットのMONT 3Dで、ミレーが特に着目したのが腕を前方へ大きく動かす動作です。
登山ではストックを使うたびに腕を前へ伸ばします。
岩場では手を高い位置へ伸ばしたり、身体を支えるため横方向へ腕を広げたりすることもあります。
通常の立ち姿だけを基準にしたウェアでは、こうした動きで肩や脇が引っ張られやすくなります。
MONT 3Dでは肩や腕の可動域を考慮し、身体のダイナミックな動きに追従する立体的なシルエットを採用。
ミレーは、ストックワーク、岩場での手の動き、腕上げなどをよりスムーズに支えると説明しています。
人間工学に基づき、山でのさまざまな動作を研究して開発したミレー独自の立体裁断パターン。ジャケットでは肩や腕、パンツでは膝周辺の可動域を意識した設計です。
パンツは「足上げ」に着目 大きな段差でも膝を動かしやすく
同じMONT 3Dは、パンツにも採用されています。
こちらで重視したのは膝周辺の可動域です。
登りで段差が大きくなるほど、膝を高く引き上げる必要があります。
冬はパンツの下にも保温用のウェアを重ねることがあり、下半身も動きを妨げられやすくなります。
TYPHON WARM PANTでは、そうした足上げの動作に追従しやすい立体裁断を採用。
さらにストレッチ性のある生地を組み合わせることで、寒い時期のトレッキングでも動きやすさを狙っています。
パンツ自体は、下にウェアを重ねることを想定したオーバーパンツフィットです。
ウエストはベルクロアジャスターで細かく調整でき、裾にもドローコードを備えています。
ジャケットでは腕上げ、パンツでは足上げ。それぞれで動きやすくしたい場所を変えているのが、今回のMONT 3Dの特徴です。

動きやすくても雨や雪を防げなければ困る 耐水圧は3万mm
TYPHON WARMは、動きやすさだけを目的にしたウェアではありません。
秋冬の山で使う以上、雨や雪から身体を守ることも重要です。
生地の耐水圧は30,000mm。
表面には耐久撥水加工を施し、雨や雪が降る環境での使用を想定しています。
一方、寒い季節でも登りが続けば身体は熱を持ちます。
そこで透湿性は40,000g/㎡/24h。
衣服内にたまる熱気や湿気を外へ逃がし、行動中の蒸れを抑えることも考えています。
つまり、今回の進化は「防水ウェアを動きやすくした」というだけではありません。
防水、透湿、保温というTYPHON WARMの役割を残したまま、可動性を追加で引き上げたという位置づけです。
耐水圧30,000mm、透湿性40,000g/㎡/24hの防水透湿性能に、ストレッチ性と起毛裏地による保温性を組み合わせた秋冬向け素材です。

防水ウェアなのに内側は起毛 「守る」と「暖める」を1着に
一般的なレインウェアは雨を防ぐことが主目的で、暖かさは下に着るミッドレイヤーなどで調整することも少なくありません。
TYPHON WARMは、そこに起毛裏地を組み合わせています。
内側の起毛トリコットによってほどよい保温性を持たせ、秋冬の寒い時期に対応。
柔らかな肌触りも特徴です。
ただし、保温性を持たせれば生地は厚くなり、動きやすさとの両立が難しくなります。
だからこそ今回のモデルでは、ストレッチ素材に加えてMONT 3Dを導入した意味があります。
雨と雪を防ぐ。暖かさも確保する。それでも身体は動かしたい。
秋冬の登山で同時に求められる3つの条件を、一つのウェアで成立させようとしています。

暑くなったらどうする? ジャケットには換気の工夫も
寒い季節でも、急な登りでは身体が暑くなることがあります。
ジャケットにはフロント上部にスナップボタンを設置。
メインファスナーを開けながらスナップを留めることで、前が大きく開きすぎるのを防ぎつつ換気できます。
フードには頭部へフィットさせるインナーカフを備えたSTORM & FITシステムを採用。
上下・前後で細かく調整でき、ヘルメットにも対応しています。
ハンドウォーマーポケットはハーネスと干渉しにくい位置へ配置。
使用しないときはフード内へ収納できるパッカブル仕様にもなっています。

ジャケット3.96万円、パンツ3.3万円 新TYPHON WARMの主な仕様
| 項目 | ジャケット | パンツ |
|---|---|---|
| 商品名 | TYPHON WARM JKT | TYPHON WARM PANT |
| メンズ品番 | MIV03255 | MIV03257 |
| 価格 | 39,600円(税込) | 33,000円(税込) |
| 重量 | 504g(M) | 348g(M) |
| 素材 | ティフォン®ウォーム ナイロン100% | |
| 耐水圧 | 30,000mm | |
| 透湿性 | 40,000g/㎡/24h | |
| 主な刷新点 | MONT 3Dによる肩・腕の可動性 | MONT 3Dによる膝・足上げの可動性 |
ジャケット、パンツともにメンズとウィメンズを展開。2026年10月14日から販売されています。
秋冬の登山で、ウェアだけでなく保温装備や雪への備えまで含めて探したい場合は、「冬・低温から登山用品を探す」で関連するギアをまとめています。
冬山で必要なのは「暖かくて濡れない」だけではなかった
秋冬のウェアには、さまざまな役割が求められます。
雨や雪を防ぎたい。
冷たい空気から身体を守りたい。
汗をかけば湿気を逃がしたい。
そして、重ね着した状態でも身体を自由に動かしたい。
これまでのTYPHON WARMが持っていた防水透湿性や起毛裏地による保温性に、新モデルでミレーが大きく加えたのが「動作そのものに合わせる」という発想でした。
ジャケットではストックワークや岩場で腕を前へ出す動作。
パンツでは急な登りで脚を持ち上げる動作。
単に生地を伸びやすくするだけではなく、その動きが起きる場所を立体裁断で作り込む。
「寒いから重ね着する。でも、重ね着したから動けないでは困る」
新しいTYPHON WARMは、秋冬の登山で生まれるその矛盾に、ウェアの形そのものから答えたモデルです。
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ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン株式会社「冬山での『動きやすさ』を追求した、新しい『TYPHON WARM』が登場」(2026年10月14日発表)
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【写真提供:ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン株式会社】
(THE ANSWER編集部)
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