9月にラグビーフランスW杯開催 海外大会に欠かせない食事計画、意外な盲点になるのは「水」
Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「海外大会のコンディショニング」について。
公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載 今回は「海外大会のコンディショニング」
Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「海外大会のコンディショニング」について。
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今年9月にラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会が開催されます。日本代表・候補選手たちも、大会を約3か月後に控えた6月12日、国内合宿が始まります。
日本代表にとって、前回の日本大会(2019年)と最も異なるのは、アウェイ開催という点です。選手たちは慣れない環境下で、長期間生活をしながら試合を戦うことになります。環境の違いはコンディショニングに大きく影響するため、選手たちはしっかりプランを立てて臨むことになります。
明るい話題としては、すべてのチームがプレイヤー・ウェルフェアに基づき、プール戦のフェーズから最短でも5日間の休養日を確保できる点でしょう。また、選手の負担をできるだけ軽減できるよう、移動時間や移動回数も最小限に抑えられています。
さて、コンディショニングをうまく進めていくうえでは、食事の計画も欠かせません。もちろん、今大会も日本食を提供される機会はあるようですが、毎食、食べ慣れたメニューが並ぶわけではありません。
2015年のイングランド大会でも、当時のエディー・ジョーンズヘッドコーチが選手のために日本食をオーダーしたものの、シェフが日本の米の炊き方がわからず、お粥を出されたというアクシデントがありました。
大会中、体重が数kg減ってしまった選手もいたということからも、アウェイでベストコンディションを維持する難しさが伺えます。