[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

日本にラグビーのプロリーグは誕生するか そのメリットと、山積する課題を徹底分析

ラグビー・ワールドカップ日本大会の熱気が残る中で、ラグビー界にはプロ化への機運が高まっている。今月13日には、日本ラグビー協会が2021年のプロリーグ立ち上げを視野に入れた「新プロリーグ設立準備委員会」の発足を表明。ラグビー人気の盛り上がりを追い風に、国内初のプロリーグ誕生を加速していく方向だ。今回は、2回に渡り、日本初のプロリーグ誕生への課題と、その可能性について考察する

ラグビー日本代表と盛り上がる観客席【写真:Getty images】
ラグビー日本代表と盛り上がる観客席【写真:Getty images】

高まるプロ化の機運、ラグビー取材歴20年の吉田宏記者が課題と可能性を考察 前編

 ラグビー・ワールドカップ日本大会の熱気が残る中で、ラグビー界にはプロ化への機運が高まっている。今月13日には、日本ラグビー協会が2021年のプロリーグ立ち上げを視野に入れた「新プロリーグ設立準備委員会」の発足を表明。ラグビー人気の盛り上がりを追い風に、国内初のプロリーグ誕生を加速していく方向だ。今回は、2回に渡り、日本初のプロリーグ誕生への課題と、その可能性について考察する。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 ◇ ◇ ◇

 日本ラグビー初のプロ構想は、すでにワールドカップ日本大会開幕前から動き始めていた。6月に就任した清宮克幸副会長が主導的な陣頭に立ち検討、推進されてきたのだ。ポスト・ワールドカップを見据えて、代表強化、国内でのラグビーの人気回復や普及という観点から、プロ化は大きな推進力を持つと期待されている。

 現状で日本最高峰のリーグと位置づけられるのは社会人チームによる「トップリーグ(TL)」だが、参画チームはプロアマ混在の編成でリーグを戦っている。厳密にはプロリーグではなく、従来の企業スポーツのカテゴリーだ。エディー・ジョーンズ、ジェイミー・ジョセフという、日本代表の躍進を支えた指揮官も共通して「日本はアマチュアの国として世界のプロと戦っている」と違和感を指摘してきた。いわゆるティア1と呼ばれるワールドカップ8強クラスの強豪国がプロ化する中で、舵を切れない日本協会を真っ向から批判はしなかったが、プロ的な環境のないままワールドカップで8強を目指すことの難しさを感じていたのは間違いない。

 ワールドカップ日本大会の盛り上がりまでは、国内のラグビー人気は各世論調査などでも“苦戦”が続いてきた。人気の指数を何にするかで誤差はあっても、競技種目の人気度では10位台中盤あたりが定位置で、プロ化を一応の軌道に乗せている野球やサッカーJリーグには、はるかに及ばない。バスケットボールが2016年にBリーグを立ち上げ、卓球もプロリーグを発足させる中で、ラグビー協会内でもプロ化の声が高まってきた。

1 2 3

吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集