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「ドラフト待ちはしません」 復活する日産自動車野球部のこだわり…新監督が一期生に求める資質

都市対抗野球で2度の優勝を誇る社会人の名門で、2009年を最後に休部していた日産自動車の野球部が、2025年から復活する。すでにチーム作りはスタートしており、休部前に主将や兼任コーチを務め、この1月から「日産野球部復活プロジェクト」の指揮をとる伊藤祐樹さんが中心となっている。野球部が消えてから14年経ち、文字通りイチからのスタート。伊藤さんに求める選手像を問うと「ドラフト待ちはしません」ときっぱり言ってのける。どのような考えによるものだろうか。(取材・文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太)

「ダメなことは絶対ダメ」という日産野球で鍛えられた現役時代の伊藤さん【撮影:羽鳥慶太】
「ダメなことは絶対ダメ」という日産野球で鍛えられた現役時代の伊藤さん【撮影:羽鳥慶太】

すでに選手獲得へ動く伊藤監督が「ドラフト待ち」をしないと言うワケ

 都市対抗野球で2度の優勝を誇る社会人の名門で、2009年を最後に休部していた日産自動車の野球部が、2025年から復活する。すでにチーム作りはスタートしており、休部前に主将や兼任コーチを務め、この1月から「日産野球部復活プロジェクト」の指揮をとる伊藤祐樹さんが中心となっている。野球部が消えてから14年経ち、文字通りイチからのスタート。伊藤さんに求める選手像を問うと「ドラフト待ちはしません」ときっぱり言ってのける。どのような考えによるものだろうか。(取材・文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太)

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 昨年末、新監督の命を受けた伊藤さんは即断即決だった。「グラウンドも選手もないところからです。大変なことはわかっていますけど『全てやります』と。監督という立場でなくてもいいと考えていたんですが……」。プロ野球のフロントのような側面支援も頭にあったが、強烈な自負があった。「日産野球部愛的に『真ん中でやるのは自分しかいないだろう』とは思っていました」。

 休部後はまず社業に専念した。選手も施設もなくなったチームが、世の中から忘れ去られないようにと奮闘してきた。「野球教室をやったり、いろいろ集まる機会はありました。でもやっぱり人は来なくなっていくんです」。チームがなくなって今年で15年目。失った時間の長さを感じる時だ。その間、ずっと細い糸を紡ぐ作業の中心にい続けたのは、愛のなせるワザだった。

 活動再開まであまり時間がない。すでに、選手集めに着手している。東京六大学や東都、首都大学リーグのチームから、挨拶回りを始めた。その上で、欲しい選手像も頭にある。「すごくいい球を投げる投手、すごく打てて守れる選手に来て欲しいのはもちろんですが……。日産自動車の野球をつくっていく上で、それだけではないと思います」。いわゆるうまい選手とは、少し違うところに基準を置いている。

「日産自動車で野球をやりたい、という思いが強い選手を取りたいと考えています。ドラフト待ちはしません。『プロに行けないから日産』という選手は求めていませんから。特に初年度の選手は一期生となるので、新生日産野球部の礎を築いていくのにふさわしいメンバーに来て欲しいと考えています」

 社会人野球チームが優秀な選手を確保しようとする時に、プロ野球の指名がかかりそうな選手に内定を出すことはままある。ドラフト会議で指名がなければ、プレーのレベルが高い選手を獲得できる。○位までに指名がなければ入社することという「順位縛り」も、よく使われる手だ。ただ伊藤さんは、プロ野球と一線を引きたいわけではまったくない。

「ここで叩き上げられて、プロに呼ばれる選手は全然いいんです。うちからプロに行った選手はみんなそうでした」

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