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サッカー日本代表、アジアで異彩放つ「個性」 韓国やイランも圧倒した伝統の力と「名手の系譜」

韓国はファウル覚悟で格闘し、精神的に屈服しない

 そして韓国は、とにかくアグレッシブだった。同国の伝統と言えるファイティングスピリットに根差した戦い方だったと言える。技術面はやや雑だが、強度は高く、活発に走り回る。賛否はあるだろうが、ファウル覚悟で格闘し、精神的に屈服しない。日本との決勝戦では、その特徴がネガティブなほうに出る形になった。イージーなチャージで退場者を出し、1人少なくなって劣勢を強いられたが、気合やフィジカルで戦況を旋回させていた点は、彼らの真骨頂だ。

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 後半、FWキム・ミョンジュンが突っ込み、「あわやPK」にも迫っている。前線の猛烈さは脅威。チャ・ボムグン、ファン・ソンホン、ソン・フンミンなど体格に優れ、点取り屋の技術を持ったストライカーを輩出してきた傾向は変わっていない。

 育成年代は、未来を提示する存在と言える。その点、これからも伝統は受け継がれる。わずか数年で、体格やプレー趣向まで変わるわけではないのだ。

 よくよく考えたら、ダイバーシティというのは他人の多様性を尊重することである。自らが他者に身を委ね、変化することではない。オリジナリティこそ、荒野を生きる希望だろう。その個性で、ダイバーシティという大波に漕ぎ出すのだ。

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

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小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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