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那須川天心は「90%のアンチ」を覆せるか 世界の「帝拳」が描く強力なプロモート方針

本田会長はアンチの存在を指摘「天心はそれを見返すためにやっています」

 育成へのサポートも強力だ。チーフトレーナーは元世界2階級制覇王者・粟生隆寛氏が担当。将来的にはノニト・ドネアら多くの世界王者を育てたロベルト・ガルシア氏に預けるプランという。昨年11月には米ロサンゼルスでスパー中心の合宿を敢行。世界の猛者と拳を合わせ、高いレベルを経験させた。

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 今月末から再び米国でスパー合宿を行う。本田会長の期待は大きい。

「考えられないくらいの学習能力があります。60年以上(プロモーターを)やっていますが、あんな選手は見たことがないです。スパーだけで1試合分くらい学習する。スパーでもまともにパンチをもらったところを見たことがない。期待している早さより3倍どころではなく、10倍くらい早く学習する。それと、本当に性格が明るい。『練習が楽しくて仕方ない』と言うんです。ボクシング界が期待する存在だと思います」

 米国では、昨年大晦日にWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成)との王座統一戦に引き分けたWBA王者ジョシュア・フランコ(米国)とスパー。一発もまともなパンチをもらわなかったという。

 本田会長が期待するのは、リング上の実力だけではない。すでに抜群の知名度を持ち、「何しろ若い人に人気。だから、発表も自分でやらせました」と、SNSやYouTubeでボクシング転向や帝拳ジム入りを報告させた。これまでの帝拳選手とは異なるアプローチ。「私が『ダメだ』と言うことを逆に『やれ』という感覚です」と明かす。

 デビュー戦の日程や相手は近く発表される。本田会長は長年のプロモーター経験から「普通はアンチが3割くらいいるのが理想」と注目度に関わるファン層について言及。那須川については「ボクシングファンは90%がアンチでしょう。(天心は)それを見返すためにやっています」と、他競技からの転向に厳しい目線があることに理解を示した。

 潜在能力と知名度を兼ね備えた次世代のスーパースター候補。神童はボクシングでどんなキャリアを築くのか。世界中のプロモーターなどと太いパイプを持つ帝拳ジム。本気のプロモートで夢が広がっていく。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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