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井上尚弥が挑む「階級の壁」打破 制限時間は5年、Sバンタム級制覇が「本当の最終章」

ボクシングの世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が13日、神奈川・横浜市内のホテルで会見し、4つの王座返上とスーパーバンタム級転向を発表した。2018年5月から9試合で数々の伝説を残したバンタム級に別れを告げ、新たな階級に殴り込み。「本当の最終章」と掲げ、体格差に挑んでいく。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

横浜市内の会見でポーズを取り撮影に応じる井上尚弥【写真:浜田洋平】
横浜市内の会見でポーズを取り撮影に応じる井上尚弥【写真:浜田洋平】

井上尚弥がバンタム級王座返上

 ボクシングの世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が13日、神奈川・横浜市内のホテルで会見し、4つの王座返上とスーパーバンタム級転向を発表した。2018年5月から9試合で数々の伝説を残したバンタム級に別れを告げ、新たな階級に殴り込み。「本当の最終章」と掲げ、体格差に挑んでいく。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 井上は新たな挑戦によだれを垂らしていた。「強さを追い求めたい」。10キロに及ぶ減量苦の影響もある。しかし、新階級へ手を伸ばす理由は明白だった。

「強さを追い求めたいというのが自分の中にあるからこそ、スーパーバンタム級に挑戦したい。バンタム級でモチベーションが『ちょっとな』と思うこともある。パフォーマンスが下がってまでやりたいとは思わないので、スーパーバンタム級でやりたい」

 18年5月、ジェイミー・マクドネル戦の112秒TKOから始まったバンタム級。5か月後のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)初戦はファン・カルロス・パヤノを70秒KOで退け、世界中に衝撃を与えた。英国でエマヌエル・ロドリゲスを粉砕し、WBSS決勝でノニト・ドネアと死闘。ラスベガスでも実力者2人を葬り、ついにアジア人初の4団体統一を成し遂げた。

「体格はバンタム級が一番の適正階級ですが、バンタム級ではやり残したことがなく、戦いたい相手がいない。そういう状況でスーパーバンタム級への挑戦を決意した。自分よりデカい相手への挑戦。ここから先が本当の戦いとなる」

 これまで「適正階級でやるのが一番大事」と信条に置いてきたが、それを上回るほど「挑戦」を欲した。上限53.5キロのバンタム級デビューから4団体統一まで4年7か月。最初から完璧にフィットしていたわけではなく、徐々に体をつくり上げ、無双を誇るまでになった。

「スーパーバンタム級もそれくらいの年月が必要」と、1.8キロ重い新階級も「適正」にしていくことは変わらない。

「バンタム級に上げた当時より(昨年の)ドネア2とバトラー戦は見るからに体つきが違った。体をつくるのはそれだけ時間がかかる。スーパーバンタム級に上げても、年月をかけてトレーニングした方が階級にアジャストしていく。その方向で考えています。

 階級を上げたから減量が楽になるという考えではない。2、3年先を見てトレーニングしていきたい。現状でも王者クラスと戦える自信はあるけど、スーパーバンタム級で『敵なし』という状態をつくるには時間がかかる。(大橋秀行)会長は『フェザー級でも』と言っていますが、自分はその考えではなく、このスーパーバンタム級が適切だと思えるようにしていきたい」

 相手のパンチ力、身長、フレーム、耐久力も変わる階級転向。階級制のスポーツであり、多くの名ボクサーが「階級の壁」を味わってきた。井上は同門の元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナーの指導のもと、パワーアップを図っていく。

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