日本ほど「ゴミが落ちていない国はない」 カヌー羽根田卓也が環境問題で考える国民性
日本の国民性に誇り「世界に発信し、日本が環境問題のリーダーシップを」
――日本人も環境保護の意識が浸透しきっているわけではありません。海外生活の経験も豊富な羽根田選手ですが、実際に暮らしたスロバキアなどヨーロッパと比べると、どうでしょうか?
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「世界の方が(環境汚染は)進んでいるんじゃないですか。スロバキアとでは川の規模も流れ方も違うので、比べることは難しいかもしれないけど、(日本のように)こんなにゴミが少ない国はない。分別もしっかりしているし、ポイ捨ても少ない。(前編で)日本の川は汚いと言いましたが、ゴミはそんなに落ちているわけでもない。
環境への配慮でいえば、日本人の方が圧倒的に強いですよ。そういうモラルへの意識は、もともと日本は凄く高いので、誇りに思っていい。こういうムーブメントが起こると、みんな真面目に取り組む国民性がある。それを誇って世界に発信して、むしろ日本が環境問題についてリーダーシップを取っていいくらいだと思っています」
――影響力のある人が発信することで意識が上がり、諸外国の現状も知って日本がリーダーシップを担っていく論調になっていけば理想的ですね。羽根田選手はこれからアスリートの立場でできる範囲でできることを……と言っていますが、どんなビジョンを持っていますか?
「発信すること自体に意味があると思います。それぞれにできる範囲、気づける範囲は違うと思うので“あれをしましょう”“これをしましょう”というのは正直、言うつもりはありません。ただ、僕のような立場が発信することで、それを目にして、環境問題を少しでも考えたり気づいたりしてもらうのが、何よりも大事。それはこういう風に取り上げていただく身として、役目を担っていかなければいけません」
――アスリート同士でこういう話題になることはありますか?
「なかなか、ないですね。例えば、スキーやスノーボードなど、自然を相手にしている冬の競技は(積雪によるコース環境で)地球温暖化もおそらく関係してくる。なので、アスリートとして良い共有になるかもしれない。そういった機会はこれから大切になってくるかもしれないですね」
――個人の今後のライフワークとして将来、実現したいことはありますか?
「水に関して、もっともっと自分で勉強し、掘り下げて、いろんな人に伝えたり、一緒に活動したりしたいと思っています。あとは、やっぱり子どもたち。子どもたちに対して、水の楽しさ、素晴らしさを伝えるとともに、これから環境を変えなければいけない社会になってくるので、一緒に学ぶ場を作れたらいいなと思っています」
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)