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プロ予備軍ではないジュニアリーグを創設 NBA、MLBが地域スポーツ・部活に手を貸す理由

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「米プロスポーツ『持てる者』の義務」について。

今回は「米プロスポーツ『持てる者』の義務」について(写真はイメージです)【写真:Getty Images】
今回は「米プロスポーツ『持てる者』の義務」について(写真はイメージです)【写真:Getty Images】

連載「Sports From USA」―今回は「米プロスポーツ『持てる者』の義務」

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「米プロスポーツ『持てる者』の義務」について。

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 米プロバスケットボールNBAと米女子プロバスケットボールWNBAは7月13日に「ジュニアNBAリーグ」を発足させると発表した。

 ジュニアNBAは、2001年に社会還元事業として始まった子ども向けのプログラムである。最近では、ジュニアNBAワールドチャンピオンシップと称する国際大会を主催し、13~14歳の有望選手たちで編成したチームが対戦する場を設けている。また、ジュニアNBAでは、2017年ごろから多くの指導動画を公開している。現在では、これらの動画がホームページ上に体系的に配置されており、子どものレベルにあう練習メニューを組み立てられるようにもなっている。2020年春の新型コロナウイルスで外出できなかった期間には、家でできるスキル練習の動画などを積極的にアップした。

 今回、発表されたジュニアNBAリーグは6~14歳を対象にしたもので、社会経済状況、人種、性別が異なる子どもたちに最高クラスのレクリエーションのバスケットボールを提供することを目的としたものだ。レクリエーション中心だが、試合を通じた競技要素も含む内容になるという。参加費用は地域ごとに異なるため、まだ、発表されていない。

 ジュニアNBAリーグ発足の背景には、新型コロナ禍によって改めて浮き彫りになった子どものスポーツ機会格差がある。2020年春に、米国でも日本と同様に子どものスポーツ活動が一時中断した。しかし、世帯年収の高い家庭の子どものほうが、低所得世帯の子どもよりも、活動を再開できている割合が高いことがわかっている。費用を抑えた地域ベースの活動は、再開できないまま消滅しているケースがある。

 こういった背景もあってジュニアNBAリーグは、経済状況、人種、性別にかかわらず、誰でも参加できるレクリエーションのバスケットボールの提供を決めた。この目的は低所得世帯の子どもの多い学校と連携するという計画からも読み取れる。低所得世帯の子どもが40%を超え、連邦政府の補助金の対象となる「タイトルI学校」のうち40校で、放課後の課外活動としてジュニアNBAリーグの育成プログラムを提供する。また、高校生には審判のプログラムを提供し、職業として審判になれる可能性の機会を与えるとしている。

 ジュニアNBAリーグは今年の秋に11都市でスタートする予定で、このリーグに参加したい団体からの申し込みも受け付けている。ただし、地域でリーグ運営者となるためには、スポーツ時の虐待から子どもやアスリートを守るセーフスポーツ認証を受け、経歴の確認など、事前に承認を受けなければならない。NBAやWNBAが派遣した指導者だけがコーチをするのではなく、NBAやWNBAが各地域のジュニアNBAリーグの指導者をサポートし、コーチになりたいと希望する人をサポートするのが主な役目だ。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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