女子ゴルフ安田祐香、初Vは目前か 名キャディーが「凄い」と証言した「ゴルフ脳」
世代筆頭の選手がツアー初優勝まであと少しのところまで来ている。女子ゴルフの安田祐香(NEC)、21歳。実力者が多く、2000年度生まれの「プラチナ世代」と呼ばれる学年。アマチュア時代に「逸材」と期待され、大きな注目を集めてプロ転向したが、同期に先を越されてきた。それでも、徐々に上位に顔を出す試合も増加。その姿は初めてバッグを担いだ名キャディーを驚かせていた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
歴代最多39勝の清水重憲キャディーに聞いた安田祐香の魅力
世代筆頭の選手がツアー初優勝まであと少しのところまで来ている。女子ゴルフの安田祐香(NEC)、21歳。実力者が多く、2000年度生まれの「プラチナ世代」と呼ばれる学年。アマチュア時代に「逸材」と期待され、大きな注目を集めてプロ転向したが、同期に先を越されてきた。それでも、徐々に上位に顔を出す試合も増加。その姿は初めてバッグを担いだ名キャディーを驚かせていた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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プロデビューから2年、安田は頭を使ってゴルフをしている。5月8日まで行われた国内メジャー・ワールドレディスサロンパス杯。初日から7位、3位、2位と順位を上げて優勝争いを演じた。最終日は朝から首痛を抱えて7位。悲願の初優勝には届かなかったが、初めてタッグを組んだ清水重憲キャディーは1週間の印象を明かした。
「彼女はゴルフ脳が凄いですね。自分の中でマネジメント(コース戦略)がしっかりできていると思います」
上田桃子、イ・ボミの歴代賞金女王たちのバッグを担ぎ、男女ツアー歴代最多の39勝(非公認)を挙げた名キャディー。ボミと18年9月にコンビ解消以降、固定の選手ではなく、試合ごとに異なる選手を担当している。今回は互いにパートナーがおらず、安田からの打診で実現。清水さんは「それまで彼女としっかり話したこともなかった」と外から見る限りしか知らなかったが、ラウンド中に他の若手にはない姿を感じ取った。
「最近の若い選手はこちらに聞いてこないことが多いのですが、彼女はいろいろと聞いてきてくれる。一緒にやっていて楽しかったですね。最終的には選手自身が判断しますが、聞いてくれればこちらもいろいろと伝えることができます」
ただ言われるがままの選手とは違う。キャディーとの距離感はそれぞれだが、自分で考え、迷った時に意見をもらうのが強い選手のスタンダード。大会初日、ショットが左に飛びがちだった安田は、清水キャディーと問答を繰り返した。
受けた助言は「全然、右に打っても大丈夫」「外すならこっちのほうがいい」。左右に振られたピンに対し、ショットの落としどころを明確にした。「自分も外す時は、打ちやすい方に外している。安全にこのコースを攻略できている」とキャディーに感謝していた。
メジャーの難コースで予選36ホールのうち、ボギーはわずか1つ。第2日の9番パー4は第1打をドライバーで攻めず、4ウッドで刻んだ。グリーン手前からのアプローチで寄せてパー。清水さんが「彼女は自分で考えている」と感じ取った通り、全てをキャディー任せにするのではない。しかも、一見チャンスと思える状況でも、隠れた“落とし穴”に気づいていたという。
「若い子はバーディーを狙えそうだったら狙ってしまうけど、彼女は抑えることができる。外してはいけないところがわかっていますね。(難コースだから)成果が出たのだと思います」